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カルロス (2010)

CARLOS

監督
オリヴィエ・アサイヤス
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3.93 / 評価:15件

解説

1970年代から1994年に逮捕されるまで世界中を震撼(しんかん)させた国際テロリスト、イリッチ・ラミレス・サンチェス(通称カルロス)の半生を描いた社会派サスペンス。革命を夢見た男の栄光と挫折の物語を、日本赤軍によるハーグのフランス大使館占拠事件やウィーンのOPEC本部襲撃事件など実際のニュース映像を交えながら、3部にわけて再現する。監督は、『DEMONLOVER デーモンラヴァー』『夏時間の庭』のオリヴィエ・アサイヤス。主人公カルロスにふんした『チェ 28歳の革命』のエドガー・ラミレスの熱演は圧巻。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ベネズエラ出身の過激派イリッチ・ラミレス・サンチェス(エドガー・ラミレス)は、1970年にパレスチナ解放人民戦線(PFLP)に合流し、資本主義国を標的にした数々のテロに加担する。やがてカルロスというコードネームで呼ばれるようになった彼は、ハーグ事件、OPEC本部襲撃事件、フランスのTGVでのテロなどの悪名高いテロ活動に関わり、世界を恐怖に陥れていくが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Film en Stock / CANAL+ / Photographe : Jean-Claude Moireau
(C)Film en Stock / CANAL+ / Photographe : Jean-Claude Moireau

「カルロス」カルロスの物語はこの映画を観る私たちの物語へと変容する

 本作の主人公、70年代に世界を騒がせた実在のテロリスト、カルロスとはいったい何者か? 5時間30分という時間をかけてこの映画が語るのは、カルロスという男の運動を通して見えてくる世界の姿でもある。具体的な当時の世界情勢はもちろん、そのような世界にならざるを得なかった「政治」というシステムの見取り図のようなものも浮かび上がる。世界中に張り巡らされた情報の網目をカルロスが飛び交う。この映画の中でカルロスは何度飛行機に乗ったことだろう。

 ヨーロッパからアフリカ、中東、東欧、もちろんヨーロッパ内をも何度も行き来して、そのたびに彼の姿が変貌していく。小さな変化が大きな変化を呼び、大きな変化が小さな変化を際立たせる。現実にあった(つまり過去の)出来事であるにもかかわらず、それは現在の出来事のようでもありこれから起こる出来事のようにも見えてくる。

 おそらくその飛行機は、距離を踏破するだけではなく超えられない時間の壁をも超えて、過去や未来へと行き来しているのだろう。いや、そうでなければこの映画を作る意味はないと、監督は思っているに違いない。70年代から80年代にかけての物語は、そのまま21世紀の物語へと飛躍する。カルロスの物語はこの映画を観る私たちの物語へと変容する。そんな瞬発力が5時間30分を支える。観終わった時には「私もカルロスだ」と、誰もがそんなことも言ってみたくなるはずだ。(樋口泰人)

映画.com(外部リンク)

2012年8月30日 更新

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