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恋のロンドン狂騒曲 (2010)

YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER

監督
ウディ・アレン
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3.51 / 評価:239件

解説

『ミッドナイト・イン・パリ』が世界中で成功を収めたウディ・アレン監督が、ロンドンを舞台に描く狂乱のラブコメディー。離婚した老夫婦と、危機的状況にあるその娘夫婦の2組のカップルを軸に、いい大人たちが恋の幻想に振り回される様子をユーモアたっぷりに描き出す。主要キャストはアンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツにジョシュ・ブローリンら名優ぞろい。年がいもなく恋に溺れる彼らの愛らしい姿が共感を呼ぶ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)は長年連れ添ってきたが、結婚40年目にして破局を迎える。あまりのことにひどく動揺したヘレナは自殺未遂を起こし、一人娘サリー(ナオミ・ワッツ)は困惑する。だが、実は彼女自身も売れない小説家の夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)との間に問題を抱えており……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2010 Mediapro, Versatil Cinema & Gravier Production, Inc
(C)2010 Mediapro, Versatil Cinema & Gravier Production, Inc

「恋のロンドン狂騒曲」アレンお得意のテーマがうまく溶け合った軽妙な悲喜劇

 同時期に公開されるドキュメンタリー「映画と恋とウディ・アレン」によれば、ウッディ・アレンは、熱烈なベルイマン信者らしく、悲劇は喜劇よりも上位にあると考えているらしい。だが、近年、彼の作品で悲壮、深刻なトーンが支配的なのは、同じくロンドンを舞台にした「マッチポイント」ぐらいで、アレンの本領は、やはり自身のパーソナルな部分を徹底して戯画化し、さらに芸術における<才能>という主題をアイロニカルにとらえた時に、もっとも発揮されるし、コクのある屈折した笑いが弾けるのだ。

 「恋のロンドン狂騒曲」は、このアレンお得意のふたつのテーマがうまく溶け合っている。長年連れ添った妻ヘレナを棄てて、若いコールガールと結婚し、バイアグラを常用するアルフィ(アンソニー・ホプキンス)は、アレンの私生活の極端なカリカチュアとしても充分に可笑しい。娘のサリー(ナオミ・ワッツ)の夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)は一発屋の作家で、スランプの果てに、交通事故に遭った友人の原稿を自作と偽って発表、大絶賛を浴びる。「ブロードウェイと銃弾」の劇作家を彷彿させる強烈な皮肉だ。

 若い男に新妻を寝取られて激昂するアルフィと才能の枯渇で常軌を逸した所業に出るロイのエピソードには、荘重な悲劇へと変貌する危うさ、ノワールな手触りがある。一方、傷心を抱え、オカルトショップの主人とソウルメイトになるヘレナも、務めたギャラリーのオーナー(アントニオ・バンデラス)に岡惚れするサリーも戯画化のタッチはやや弱い。ただ、肥大化した妄想にとらわれた4人のそれぞれの恋の行方を諧謔(かいぎゃく)のグラデーションを加えながら、軽妙なスケッチとして仕上げた手腕は、やはりアレンならではである。(高崎俊夫)

映画.com(外部リンク)

2012年11月22日 更新

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