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コッホ先生と僕らの革命
2012年9月15日公開

コッホ先生と僕らの革命

DER GANZ GROsE TRAUM/LESSONS OF A DREAM

1142012年9月15日公開

kih********

5.0

異文化導入にはスポーツをセットすべし。

 『今を生きる』を思い浮かべる。学校での「革命」(少々大袈裟な表現だが)物語という点で殆んど同じなのだ。ただし、あちらはアメリカ映画、こちらはドイツ映画。あちらが文系「革命」なのに対して、こちらは体育系「革命」。あちらのキーティング先生が学校を追放されたのに対して、こちらのコッホ先生は政府からも認められる成功者になる。  両者の共通点は、保守的な学校に新しい風が入る時の混乱・摩擦、教師の追放問題にまで発展すること、最終的には生徒たちが新しい風を受け容れるということだ。  こちら『……革命』も、国粋(すなわち排他)主義的ドイツにおける敵対的英語の導入実験だった。つまりは文系の新風だったのだ。コッホ先生は敵性言語に敵性スポーツをセットした。ここが巧みなところ。外国語や異文化の導入・交流には言語理解よりもスポーツの方が手っ取り早いのだ。それは、学者間の交流よりスポーツ交流の方がスムーズであることを見ても分かる。スポーツは少ない言葉でルール(意志)が伝わる。フェアプレイには拍手を送ることができて、言葉以上の親近感が発生する。(もうひとつ、食事交流があるが)ともあれ、コッホ先生はサッカーの導入によって英語導入を成功させた。「革命」だった。  映画の終盤ではテンポよく(というよりは偶然を重ねて強引に)ハッピーエンドに向かう。ちょっと調子が良過ぎるけど、映画だからこれでいいのだろう。ドイツ映画には珍しいが、こういうハッピー物語もあっていいだろう。

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