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ライク・サムワン・イン・ラブ
2012年9月15日公開

ライク・サムワン・イン・ラブ

LIKE SOMEONE IN LOVE

1092012年9月15日公開

YMTK

4.0

ネタバレ二度と見たくない傑作

何しろ冒頭から、女子の彼氏に対するくだくだしい言い訳を延々聞かされた挙句、友人の死ぬ程くだらないムカデのギャグを聞かされて、冒頭からして募り始めたイライラがこの映画に対する鑑賞態度を邪魔し始め、でんでんの顔を見る段階になる頃には、もはや遠慮なく脳内で「失せろクソジジイ」コールが始まるわけですが、愛人だと思っていたでんでんがポン引きだと分かり、今度は執拗にお婆ちゃんがお婆ちゃんがと言い始める女子に対して「断わるなり行くなりはっきりしろよブス!」と、ブスの要素ゼロなヒロインの女子に対してまで罵声を浴びせたくなる始末。 「作家性とは?映画とは?」と言ったこちらの高尚な態度はすっかり崩されて「まだあと1時間以上あるのか」とまるで見たくもない映画に付き合わされるような感覚の中、ようやく場面は進みヒロインは客の元に向かう事になるが、さてこれからどう展開していくのか、との疑問に対し、タクシー途中のお婆ちゃんとのくだりがいかにもドラマ的な感じだったので、ようやくスクリーンに現れた御老人とのこの先の映画の展開も、肉体を介してしか愛を感じられない若い女性と、肉体を介さない精神的な繋がりで愛を求める年配男性との、ラブストーリーなのかなという予想も、いかにもキアロスタミ的な、ほったらかしなようでしっかり演出されているようなドキュメンタリースタイルで空気が変わる事なく物語は進行していくので、爺さんの心中は下心なのかヒロインに対する純粋な愛情なのか察せられず、内容も劇的には展開しないので最後のシーンになるまでこの映画はどう終了するのか予想もつかなかったが、漫画でしかないお隣さんの登場と、その弟の出現でようやくこの映画が何なのか理解が出来た。そうだったのか。コメディだったのか。 素晴らしい。参りました。 しいて言えば、カフカかベケット。そうか、あのくだらないムカデのギャグはカフカを暗示していたのか。

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