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レ・ミゼラブル (2012)

LES MISERABLES

監督
トム・フーパー
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  • みたログ 9,109

4.15 / 評価:5,990件

生々しい役者たちに拍手

  • my******** さん
  • 2019年4月7日 23時44分
  • 閲覧数 2496
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

ミュージカル未見ゆえに当時劇場で初めてこの作品をみて圧倒された。舞台版の良さ、映画ならではの良さという違いは分からないが、役者の圧倒的な演技とミュージカル映画としては異例の「生歌」のお陰で、後のミュージカル映画に対する自分のハードルも上げてしまった作品。

アン・ハサウェイとヘレナ・ボナム=カーターが光っている。アンの感情に乗せて歌う姿を見て、今作を「生歌」にした決断は成功だったと強く思った。彼女のためにこの決定はなされたのか?と思うほど。ヘレナも奇妙さたっぷりに演じていて、どんな役でもできるカメレオンさを存分に発揮していた。2人はコゼットを取り巻く光と闇のような関係。アンとヘレナの演技もその関係を表すための相性が良い。「アリス・イン・ワンダーランド」再来。

ちなみにエナルディエの旦那のサシャ・バロン・コーエンも後にアリスのタイム役になる。アリス三人衆(笑)。コメディアンとしての彼の良さが出ている。そしてボヘミアン・ラプソディーのフレディ候補にも上がったらしく、顔がそっくりの彼のフレディも見て見たかったと思った。話関係無いが。

そのアンとヘレナが素晴らしいからこそ子供であるコゼットとエポニーヌにも熱いドラマを感じる。母役のアンとヘレナの共演シーンは無いのだが、脳裏に焼きつく彼女たちの演技のお陰でコゼットとエポニーヌを通して根底に流れるその母たちのドラマを感じられる。コゼット役のアマンダ・サイフリッドの美しい高音。「ミーン・ガールズ」でデビューを目撃し、まさかこんな素敵な女優さんになるとは。

エポニーヌのシーンでは画面に釘付けにされた。切ない過ぎる。この女優さん、舞台でもエポニーヌ役だったと知り驚いた。「こなれた感」は全く感じず、嫉妬や閉ざした感情を繊細に表現していて無償の愛に転じようとする姿に魂が揺さぶられた。最初は親が親だけにコゼットと比べると悪役として見てしまったのだが、彼女が背負ったドラマはコゼットを食ってしまったかのように悲劇。役者のお陰だろう、今作で1番心に残るシーンになった。

「あと一日」で交差していく人物たち。様々な人物たちの明日にかける感情が頭に入ってきて、自分の頭の中がカオス状態になった。素晴らしい演出。そしてそれを畳み掛けるように続く「民衆の歌」。

ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、エディ・レッドメイン…。自分の信念を貫き、ジャベールには悲劇を背負わせ、マリウスには希望を、ジャン・バルジャンには安らぎを。本当に三本柱として全員が好演。ラッセルはミュージカル向きではないのかもとは思ったが、とんでもない。呪縛に取り憑かれたジャベールを憎らしいほどに表現していた。

BGMは時より「夢やぶれて」の旋律を流し、裏に流れている愛を表現したり、「囚人の歌」を力強く信念を通すシーンで流したり、形は違えど同じ愛や信念が伝わってくる編成だった。

最後の「民衆の歌」は圧巻。
悲劇はあれど希望も生まれる。沢山のものが犠牲になり、新たな時代へと進むマリウスとコゼットの背中に託された。彼らの背中を押す行進曲に聞こえた。役者が全力で表現をする舞台とは映画では表現方法が違うとは思うが、生々しく見事に表現してくれた役者陣に拍手を送りたい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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