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PIECE ~記憶の欠片~
2012年9月1日公開

PIECE ~記憶の欠片~

- 2012年9月1日公開

yus********

3.0

ネタバレ良くも悪くも「試金石」。

「仮面ライダーオーズ」に主演した、渡部秀さん、三浦涼介さんを主役に据え、戦隊、ライダーという東映特撮ヒーローの俳優を文字通り「NEXT」に向かわせる東映ヒーローNEXTシリーズの第一段。 ただ、第一段ということもあり、色々な面で試行錯誤があったんだろうなぁ…と感じさせられました。 仮面ライダーのメインキャストが出演していることから、子供が視聴することも考えられたでしょうが、物語はあらすじにもある通り恋人が石化して謎の死を遂げた男がその謎に迫る怪奇テイストのサスペンスとなっています。また、その過程で、夜の繁華街でのシーンや軽いラブシーン、不気味さ溢れる描写など、その内容はかなりシリアス。オーズの映司とアンクを期待して見るのはNGかもしれません。 脚本の三上陸さん、監督の下山天さんの手腕もあり、一つの映画として内容は濃いです。 松澤一之さんが出演していることも相まって、ストーリーとしては「ケイゾク」や「SPEC」などの超常現象を扱った作品に近い雰囲気です。 役者陣のお芝居については、おおかた皆良いお芝居をされていると感じました。強いて言えば、序盤、恋人を謎の死によって喪った主人公(渡部秀さん)が酒に溺れ、自堕落な日々を送るという描写が、なんか無理してるなー…と少し感じたくらいです。 ただ、一つの独立した作品として観るか、それともライダーの延長として観るかという観点によって作品の見方は変わってくると感じます。 というのも、初めから終わりまで、終始ストーリー、演出などが必ずしも上手く噛み合ってはいないなぁといった部分も所々に存在するからです。 まず、本作の謎に関わる大きな鍵となる「PIECE」という物体の取り扱い。 PIECEは、石化して死んでいった者たちが残す謎の物体、という定義付けがされるのですが、物語が進むうちに「その人の意思や記憶が凝縮された物」「科学実験により産み出された謎の物体」などと、ストーリーが進んでいくにつれその内容が明かされていき、結局PIECEという物体は何なのかという謎が深まっていきます。 しかし、ラストシーン、クレジット後のワンシーンに至るまで、最終的にそれが何であるのかは明らかにされません。 こちら(観る側)のリテラシーの問題ではなく、脚本としてその謎に明確な答えを出していないのです。 この、「敢えて謎を残したままでストーリーを完結させる」という構造は、受け付けないという人もいらっしゃるかなぁと感じました。私自身は、まぁそうくるならそういうつもりで観ます、というスタンスでしたが。 伊藤かずえさんや小市慢太郎さんなどのベテラン勢の中にあっても、三浦涼介さんのお芝居はこの作品通して素晴らしいと感じます。五重人格の謎の男という難役を、しっかりと発声、表情だけで描き分けるという演技でこなしていくことで物語を進めていく大きな推進力となっています。 あとは…予告編の最後の方で呟く声で最後の黒幕がバレてしまったのは惜しかった…。 とにもかくにも、私は楽しく観ることができたと思います。 ただ、作品としては、賛否両論あるものかなぁ…という感じです。

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