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ムーラン

ムーラン

花木蘭/MULAN

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sou********

5.0

キングダムみたいな作品より千倍良い。

「戦場に英雄はいない」と言う父親のセリフに始まり、初陣の躊躇…。こう言う事でしょ、戦争は…きっと。 昨今、史記をベースに描かれるフィクションの「キングダム」が売れている。中国古代史が好きで最初は読んでいた。しかし、あまりに馬鹿げていて、戦争を友情や夢などと矮小して描く世界観に、呆れて読むのをやめてしまった。 結局、侵略戦争をする者が、何言ってやがる?なわけ。 戦争を仕掛ける者は、人を殺し続ける上で大義名分が必要だ。そんなものクソ食らえだ。庶民を巻き込むなよ、と。 では、侵略されるとは? この映画のような話になるでしょ。 病気をしている親に代わり、娘が男と偽り戦場に行く。 誰かを守るために犠牲を払う。 感情を捨て、虚しさと生への渇望だけの世界へ立ち向かう。 大将軍になる!って馬鹿げた話より、将軍に担ぎ上げられ苦悩する物語の方が遥かにまともでしょ。 兵士に、認識票がわりの身元を証明する木札を持たせて戦場へ立たせる。戦死した兵士の木札に付着した血を、将軍自ら洗い保管する。 血が通い、心が通う演出だと思う。 集約されるのは、戦いのない世界への希求。僕は、この物語は素晴らしいと思う。 もちろん、戦争映画は、視点を変えればプロパガンダにもなる。祖国の為には女も戦えよ、と。 単純に額面通りに解釈してはいけないところもあるが…。それでも良いんじゃないか?と思えるのだ。 最後に、今のところ僕の思うヴィッキー・チャオの最高作。 ラストの別れのシーンは、切なくも美しい。セリフのやり取りも、カメラも大好きだ。

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