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車イスで僕は空を飛ぶ

k51********

5.0

ネタバレ“生きる”意味

 とかく24時間テレビにありがちな,「障がいや病気のある方は大変なんだよ。かわいそうだね。がんばってるから助けてあげようね。」というお涙頂戴物のきれいごとドラマにしていないところが,とても素晴らしい。障がいがあるなしにかかわらず,人としてどのように“生きる”かということを深く考えさせられた。中途半端な同情や,上辺だけの優しい言葉や励ましは、困っている人を本当の意味で助けることにはならない。ただ黙ってそばにいてあげたり,例え解決策が言えなくても話を聞いてあげたりすることの方が,ずっと価値がある。私自身,今年になってから,手術や不自由な入院生活を過ごしたので,余計にそう感じられたのかもしれないが,このドラマには嘘がなく,悲劇性を語るのではなく,どう現実を受け止め,どう生きるかに焦点を当てていたことに,この上なく共感を覚えた。  そして,二宮の演技がとにかく絶品だ。障がいのある役ではあるが,そこだけを誇張せず,普通の若者の感情を,喜怒哀楽を,あくまで自然体で表現しているのがよい。主人公の気持ちを決して過剰に押しつけず,絶妙な間合いで,観ている者の想像や考えが入り込む余地を与えてくれる。上手な役者は数々いれど,これは二宮にしか出せない味と言えるであろう。GANTZのレビューでも書かせてもらったが,傷つくほど二宮は光る。この作品でも,母との場面での「初めまして」のくだり,崖の上での「助けてください」,思わず一緒に涙してしまった。ドラマ自体の脚本,演出もよかったが,二宮が演じたことで,出色の感動作品となったと思う。

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