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ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 (2012)

THE WOMAN IN BLACK

監督
ジェームズ・ワトキンス
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2.70 / 評価:244件

解説

スーザン・ヒルの小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」を実写化したホラー。19世紀末のイギリスを舞台に、亡くなった家主の遺書を探すために不気味な邸宅を訪れた弁護士が、その家のまがまがしい過去を知ると同時に不可解な現象に襲われる姿を追う。『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが、妻を亡くした悲しみを抱えながら、未曾有の恐怖と相対する主人公を熱演。メガホンを取るのは、『バイオレンス・レイク』のジェームズ・ワトキンス。派手なシーンに頼らないゴシックなムードを全面に押し出した恐怖演出も魅力だ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

19世紀末のイギリス。ロンドンで弁護士として働くアーサー・キップス(ダニエル・ラドクリフ)は、4年前の妻の死を引きずっていた。そんな彼に、弁護士事務所の上司は田舎町クライシン・ギフォードへの出張を命じる。課せられた仕事の内容は、同地に建つイールマーシュの館へ赴き、亡くなった家主であるアリス・ドラブロウ夫人の遺書を見つけ出すというものだった。やがて、アーサーは黒衣をまとった女が周囲の森や窓辺に出現するのを目にするようになり、館の恐ろしい歴史と町の子どもたちが次々と怪死している事実を知る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

Photo credit Nick Wall (C) 2011 Squid Distribution
Photo credit Nick Wall (C) 2011 Squid Distribution

「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」怪奇な詩情と哀切なる情感に満ちた英国産のゴシック・ホラー

 母よそ者に冷ややかな眼差しを向ける村の人々、水辺にぽつんと建つ不気味な洋館、その窓辺や墓場に出没する黒衣の女幽霊……。スーザン・ヒルの名作小説「黒衣の女 ある亡霊の物語」に基づく恐怖劇は、とことん正統派のゴシック・ホラーだ。観る者をギョッとさせるショック演出は散見されるものの、過激な暴力描写は皆無で、幽玄なムード漂う映像世界にはそこはかとなく郷愁を誘う詩情が息づいている。

 これは怖いというより物悲しい映画だ。若き弁護士アーサーは4年前に最愛の妻に先立たれて以来、生ける屍のような日々を送っている。そんな彼が幼いひとり息子をロンドンに残して、田舎の洋館での遺品整理の仕事に赴き、地元の子供たちの命を奪い続ける邪悪な女幽霊に出くわす。「ハリー・ポッター」卒業後、この父親役に挑んだダニエル・ラドクリフは、全編悲壮感に満ちた面持ちで洋館の怪異に立ち向かう主人公を熱演する。そこには魔法も親友の助けもない。今は亡き妻との再会を願う青年のこのうえなく皮肉な運命が、孤独と喪失の痛みとともに語られていく。

 ホラーとしてはいささか古めかしい作りではあるが、イギリスの怪奇映画の老舗ハマーフィルムが「モールス」に続いて製作した作品と聞けば妙に納得させられる。とりわけ、十字架の下から甦った泥まみれの少年の幽霊が洋館の玄関をノックする……というシーンは、ぞくりと身震いするほど魅惑的だ。古典的な西洋の怪談の醍醐味を今に伝えるこの一作、ハマー社にはぜひともこうした“文化事業”の継続をお願いしたい。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2012年11月22日 更新

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