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もうひとりのシェイクスピア
2012年12月22日公開

もうひとりのシェイクスピア

ANONYMOUS

PG121292012年12月22日公開

edo yabo

4.0

英国貴族時代劇です

とても英国な香りがする映画です。英国王室とシェイクスピアを英国人俳優で描くという歴史劇なので、英国の歴史や文学が基礎知識としてないとちょっと厳しいかもしれません。16世紀の英国の状況がわからないと物語に入りにくいと感じました。情けないかな、僕は全くと言っていいほどの英国に疎い人なので、導入部には苦労しました。なぜか「エリザベス」という映画も見てないので、後悔です。 そして、天下のシェイクスピア。これまた、まともに読んだことがありません。4大悲劇のあらすじくらいは知っています、という程度です。「ロミオとジュリエット」の映画は見ました。あとは「ベニスの商人」を授業でやったかな。 ということなので、事前に入手した「もうひとりのシェイクスピア 人物関係図」これがとても役に立ちました。 英王室内の愛憎、忠誠、対立などが見事に描かれていました。 ただ、またしても邦題が原題からかけ離れていて、雰囲気を壊しているように思います。 物語は、シェイクスピアの直筆の原稿が一枚も存在しないことから、原作別人説を語りながら始まっていきます。別人説を軸に、原作者オックスフォード伯やエリザベス女王を取り巻く人々の愛憎や陰謀が歴史を紐解きながら描かれています。 16世紀、英国では演劇が盛んで、エリザベス女王も観劇を楽しんでいました。しかし、女王側近ウィリアム・セシル宰相(デイヴィッド・シュールス)は、息子ロバート(エドワード・ホッグ)とともに民衆を煽るようなものは糾弾していこうとします。当時、貴族が作家になることは認められていないようで、オックスフォード伯エドワード(リス・エヴァンス)は、ベン・ジョンソン(セバスチャン・アルメストロ)に、自らが手がけた作品を舞台で上演させようとするんですが、シェイクスピアが作者であると勝手に名乗ってしまいます。さらには、真実を知ってエドワードを脅迫までします。 エドワードはエリザベス女王と愛人関係にありましたが、王位継承問題から反逆罪に問われてしまいます。やがて、恩赦により死罪を逃れますが、生涯戯曲作者を名乗ることを禁止します。 そして、シェイクスピアの名声だけが歴史に残りました。 エリザベスには隠し子が何人かいたとされ、エドワードもその一人であったという設定になっています。さらな、エリザベスとエドワードにも子があり、サウサンプトン伯になっています。もう、訳がわかりません。しかし、表向きはヴァージンクイーンなので、王位継承問題が発生し、陰謀が渦巻くのです。 もう、シェイクスピアのことなどどうでもいいような、大問題なのです。 この映画では、シェイクスピアは小ずるがしい無能な小物として描かれています。根性の悪さは一人前です。 しかし、むかつくレベルはセシル親子のほうが上です。物語の中では、圧倒的な敵役になっています。 でも、王家にとっては、忠実で忠誠心に篤いが故の行動といえるかもしれません。 当時の雰囲気を醸し出す、衣装や美術は緻密に作られ、そして豪華です。ただ、時空が前後し、シーンの切り替わりが多いので、見づらく感じる部分もあります。 やはり、英国史が少しはわかっていたほうがいいと思います。 ところで、監督はローランド・エメリッヒです。これまではSF映画の人だと思っていたのですが、こういう映画も作るんですね。感心しました。

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