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もうひとりのシェイクスピア
2012年12月22日公開

もうひとりのシェイクスピア

ANONYMOUS

PG121292012年12月22日公開

ZZZ

4.0

翻弄される作家たちの話

内容としては、”もう一人のシェイクスピア”というより、”本当のシェイクスピアは誰か”という方が正しいと思う。 自分もかつてシェイクスピアは実在したのか。そもそも、一人の人物だったのか。などなど。シェイクスピアに関する学説(?)を耳にした事がある。 本作は、その中でも有力(かもしれない)埋もれた文豪がシェイクスピアだったという説に基づいて作られている様だ。 明らかな証拠がある訳ではないが、消去法的に突き詰めていくとある人物に突き当たる。それが、本作で実際にシェイクスピア名義で戯曲等を記した人物となっている。 但し、物語そのものはシェイクスピアとは誰かという事より、英国王室、貴族たちの権力闘争や愛憎劇を中心に、当時の情勢に翻弄されていく、作家たちの話という感じ。 ミステリー扱いになっているが、謎解きの様な面は皆無に近い。歴史群像劇と言う方が近いと思う。 言葉の持つ力や素晴らしさというものを追い求めていた人達の思いが描かれている。 ただ、厳しかったのは人間関係がややこしい。 最初、現代から始まり、直ぐ、シェイクスピアが活躍した時代に遡る。そして、時折、更に時代を遡ったり、元のシェイクスピアの時代に戻ったりしている。 その為、劇中、同じ登場人物が急に若返ったりするので、どの役者さんと、どの役者さんが同じ人物の役を演じているのか把握していないと混乱してくる。正直、人物相関図をおまけに付けて欲しかったくらいだった(自分の記憶力の低さの問題だけかもしれないが…)。 決してすがすがしい話ではないが、何か心に残る映画だった。 因みに、この映画が切っ掛けで、シェイクスピアの直筆原稿が一切存在しないという事は初めて知った。その他にも、意外な事実を知り、確かにシェイクスピアは”シェイクスピア”ではないかもしれないと考えさせられる。何せ文字が書けない可能性もあるのだから。

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