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ザ・マスター
2013年3月22日公開

ザ・マスター

THE MASTER

R15+1382013年3月22日公開

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5.0

ネタバレ天才監督の8本目

やっぱりポールトーマスアンダーソン監督は本物です こうやって自分の撮影したいものだけを撮れるってところが 本物の才能だということ こういう映画でも彼に製作費を出すスタジオがあるというところに 彼の才能を買っている人がいるということを伺えます 商業娯楽映画ではまったくありません ブギーナイツの頃から変わっていないのが、 “家族”や“心の拠り所”、 つまりは“心の家”を探している人間の物語であること マグノリアやゼアウィルビーブラッドもそういうふうに感じます 今回のテーマも非常に重く、 主人公は戦争帰りの心的外傷後ストレス症候群から アルコール中毒になってしまって、暴力的な 身寄りのない船乗りの男で、 人生完全に行き詰っている人 これを主演のホアキンフェニックスがやっています 主人公がフィリップシーモアホフマン扮する、 新興宗教(自己啓発セミナー)の教祖さんと会って、 催眠療法で自己開示してから 自分の居場所を見つけたと思うが 教祖のやっている、宗教的思想についていけず 彼から得られた承認感情との間で非常に葛藤しているように見える 後半部で一度教祖の元を離れ、 婚約前提だった彼女に会いに行くが その彼女は既に結婚しており またも彼は人生のどん底に突き落とされる 誰も彼を必要としていないという描写が 多く描写されている 逆に彼を必要としてくれるのはマスターこと教祖様のみ (で、このマスターは恐らく、セリフ等で明示してはいないが、主人公に対して 同性愛的な感情を抱いている感じがします。主人公は父性をマスターから感じているが、このマスターは主人公に性的な感情を抱いている感じがします。それがわかるのが、マスターベーションを奥さんに介助してもらうシーンです) そしてイギリスにて新たな活動を始めた教祖様に 呼ばれ会いに行く という感じで話が終局に向かいます 自分を必要としてくれる人、承認してくれる人の ところに向かいたいという主人公の感情が 画面から痛いほど伝わってきます 最後の最後まで、救済されるシーンがなく 結局そこは投げられたままで終わってしまう のがポールトーマスアンダーソン監督らしいな と思っています 信仰する人々は同じ仲間と一緒に暮らせて幸せそうだが 信仰しない主人公は仲間も居らず、孤独で辛そうに見える こういった対比が印象的でした 長編映画デビュー作から一貫して 一目置かれる映画を作り続ける ポールトーマスアンダーソン監督はやはりさすがです。 映画好きなら一度は観るべきでしょう

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