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王になった男
2013年2月16日公開

王になった男

MASQUERADE

1312013年2月16日公開

夜風

5.0

ベタ。基本。なればこそ真理。

もうね、恥ずかしいぐらいのベタドラマ。 でもベタを大真面目にやってうまく行ったときの破壊力の凄さを思い知らされる映画でした。 「面白うてようよう哀しき」という基本の展開は王道中の王道。 でも不思議と新しい。 カメラワークやカット割りのタイミング、照明や構図のとり方まで計算し尽くされており恐いぐらい鋭利な感性で演出されている。 常に監視の恐れがありいつ暗殺されるかわからない不気味な空間としての王宮が演出によって見事に表現されており、その環境を背景にして物語が展開していく。 脚本にも無駄がなく登場人物の描き方にも説得力と存在感がある。 なによりも驚かされたのはイ・ビョンホンさんの演技力。 こんなにお芝居が達者だとは思ってませんでした。 キムタクさんみたいな演者だと勝手に思い込んでたけどとんでもない。 甘く見てました。正直すまん。 一人で二人の人物を演じ分けているんだけど、表情の素の状態の表現や身のこなし、声の出し方から芝居の間に至るまで何からなにまで同じ人とは思えない佇まい。 しかも技巧が前に出ることなく自然に別人になりきっている。 演出の力もあるだろうけどどう見てもそれだけじゃない。 黒澤明的な作品が好きな人なら間違いなく楽しめる王道の娯楽作品。 映画らしい映画を見たいという気分のときにぜひ。

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