ここから本文です

嘆きのピエタ (2012)

PIETA

監督
キム・ギドク
  • みたいムービー 158
  • みたログ 670

3.75 / 評価:427件

残酷で痺れるほど美しい寓話。

  • じゃむとまるこ さん
  • 2013年7月9日 10時19分
  • 閲覧数 1826
  • 役立ち度 27
    • 総合評価
    • ★★★★★

ピエタ=磔の十字架から下されたキリストの亡骸を抱く聖母マリア。
題名通り、神の視点から描く人としての覚醒、そして究極の救済を描くベネチア映画祭金の獅子賞受賞も納得の傑作だと思う。

キム・ギドク監督作お初です、なので、ど素人ですが、監督への思い入れなく感想を書かせていただきます。

韓国映画は何作か見ているが、はっきり言って苦手です。強烈な”恨”の意識、くどい残酷描写、濃い表現を特徴としていると思うが、案外と底の浅さも感じる。
「母なる証明」は見応えがあったし、内容的にも韓国映画の底力に圧倒される思いもあったのだが、好きにはなれなかった。

コアなファンがの多いキム・ギドク監督、本作は描かれている残虐性、猛毒と言われる所以はよくわかった、強靭な精神で受け止めるべき映画だろう、柔な韓流ファンなど全くお呼びじゃない。

しかしその猛毒は”良薬口に苦し”の一面を持っている、目を背けずにはいられないシーンの行きつく先は、魂の覚醒と究極の救済だ、そして、猛毒でありながらも意外と直接には残虐シーンは映し出されていない、観客の想像力をかきたてる怖さが憎い演出の妙だ、驚くほどの短期間で撮影されたようだが、大変な才能を感じる。

大都会ソウルの貧民屈のような町で残虐非道な借金取り立て業で生きてきたガンド、孤児の彼にはほかに生きるすべがなかったように見える、愛されなかったがゆえに自らの残酷性にも無感情になっている。
そんな彼の前に母だと言う女が現れる、いかにも怪しい、しかし、徐々に徐々にと女はガンドを追い詰めていく、愛を知らなかった男が愛を知り、愛を失くす恐怖で男に復讐を誓う女の目的は達せられる。

男と女、二人の愛の渇望があまりにも痛々しく切ない。
思いとは裏腹に永遠にすれ違ったままの二人、母なる女の心の内に芽生えるガンドへの母性が哀しい。


夜明けの道を走り去るトラック、それを見つめるカメラの長回し、この残酷性をどう受け止めるか、後味の悪いラストシーンだろうか。
私はそうは思わない、赦され救済されるのだ、そう思いたい、何という余韻の深さ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不気味
  • 恐怖
  • 絶望的
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ