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2.0点
…あらすじは、解説のとおり。 原作は中上健次で未読だが、若松孝二監督の遺作らしいので観てみる。 冒頭、井本(井浦新)が女に腹を刺され、凄絶な死を遂げるところから始まり、今後の展開に期待が持てた。 この井本が死んだ日に生まれたのが高良健吾で、それを取り上げたのが産婆の寺島しのぶ。 以下、産婆の寺島しのぶが取り上げた、井本の血筋繋がりの3人の男の生き様が描かれている。 一人目の高良健吾は、演技は確かに達者だったが、その人物像はひたすら下半身がだらしがないだけの男としか映らなかった。 二人目の高岡蒼佑は、ヒロポン中毒・盗人中毒が嵩じて自ら撃沈するだけ。 三人目の染谷将太は、出番こそ少ないものの、寺島しのぶにしな垂られて男女の関係になるというお得な役どころ。 そして、寺島しのぶの旦那の佐野史郎は既に亡くなっていて、その遺影が喋る演出もどうかと思うが、その言によると、寺島しのぶは染谷将太だけではなく、高良健吾・高岡蒼佑とも男女の関係にあったということなのか? 産婆として取り上げた子等を愛しんでいるとばかり思っていたが……。 それで、彼らに対して、『生きているだけでいい。そのままでいい。』なんていうセリフは、何という驕りだろうと感じてしまった。 遺作にあまりケチは付けたくなかったのだが……『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』があまりにも鮮烈だったが故に、本作は残念無念と感じてしまった。
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