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藁の楯 わらのたて (2013)

監督
三池崇史
  • みたいムービー 385
  • みたログ 7,263

3.91 / 評価:5934件

あたなだったらどうする?

  • 金平糖♪ さん
  • 2013年4月5日 13時56分
  • 閲覧数 2689
  • 役立ち度 465
    • 総合評価
    • ★★★★★

漫画・「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の作者の小説家デビュー作の映画化。
マルチな方で、映画監督や脚本家としてもご活躍なのですね。

牽引力があるストーリー展開で、原作が骨太で力強い作品であることが容易に想像できる。
それが、三池監督のエログロさと、ウマイ具合にマッチ。

三池監督の画は、赤と黒がどの作品でも印象的で、本作も然りですが、下品さを感じさせない稀有な作品に仕上がっています。

一億二千万人の日本国民から命を狙われる、守る価値に値しない二人の少女を惨殺した殺人鬼・清丸国秀。
どこまでいっても、改悛の情を示さずエゴイストに徹する。

殺人鬼の『楯』という任務を遂行するにあたり、相次ぐ殉職者。

法治国家における自分にとっての正義とは何か?

観る者は常に、自分だったらどう考え、どう行動するか、考えずにはいられない。

江戸時代には法制化されていた敵討が、今も残っていたら問題はないのに…と、思わずにはいられない。

ただ、家を守るという大義名分があった江戸時代と違い、本作にはお金が介入する。

そのため、銘苅の言ではありませんが、美談もすべて『嘘くさく』感じられてしまう。

認めたくはないれけど、(お金は、最大のパワーだなあ…)と、思わずにはいられない。

しかし、お金を抜きに考えても、社会と共存ではない性的嗜好を有する清丸を、生かすべきか否かという問題も残る。

納税者の賛同を得れないような、社会を脅かす存在であれば、税金を使ってまでも生かすべきではないようにも思う。

それに付随し、死刑制度の是非も問われる。

清丸は、犯罪者である自分にも人権はあると主張するが、犯罪被害者や遺族の人権はどうなるのか?

このように、次々と、観客に問題提起をし、難問を投げかけてくる。

しかし、それだけではなくエンターティメント性も兼ね備えている。

移送シーンでは、誰もが疑わしく、(裏切り者は誰だ!?)と、推理心を煽る。
また、どこから敵が襲ってくるのか、ハラハラドキドキの連続。

大沢さんも、松嶋さんもカッコよく、目の保養♪

カッコいいといえば、永山絢斗君♪
歯が血まみれの口でも美しい。
明らか死亡フラグが立っている血気盛んな神箸を熱演。

「カイジ」では、舞台俳優が板についた藤原さんの、映像には合わないオーバーな演技と、がなるように聞こえる台詞が紀になりましたが、本作では意外や意外、抑え気味の演技が奏功し好演。

嫌悪感を抱かせるような悪役を演じるのは役者冥利に尽きるのではと、「十三人の刺客」で新境地を開拓した稲垣吾郎さんを連想。

役者の隠し持っている引き出しを開かせるのが、三池監督は本当にお上手だと感心。

一方、岸谷さんの演技は若干の舞台臭さを感じてしまいました。
また、大木係長役の本田博太郎さんの癖のある台詞回しも気になりました。

エンドロールで、撮影に使われていた新幹線が台湾の新幹線だったと気づき、驚かされました。

原作モノは、撮影サイドに、大いなる工夫と智恵を要求するもので、本作の健闘ぶりを大いに称えたいと思います。

『藁の楯』とは、まさにと、色々と考えさせられ、ラストを知ってしまっても、原作を読みたいと強く思わせる。

後味の良い作品とはいい難いのですが、鑑賞後に色々と考えさせられる映画こそ、観る価値に値すると思っているので、私には大変見応えのある作品でした。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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