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ちょっとフランス風 (1948)

SLIGHTLY FRENCH

監督
ダグラス・サーク
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4.50 / 評価:2件

ラムーアの魅力が引き出された佳作

  • rup***** さん
  • 2020年12月27日 21時18分
  • 閲覧数 83
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ドン・アメチーが演じる映画監督ジョン・ゲイルのスパルタ演出ぶりに辟易した主演のフランス人女優イヴォンヌ(アデル・ジャーゲンス)が役を降りてしまったため、ジョンも監督をクビになってしまう。
ジョンは、たまたま出かけたカーニバルの見世物小屋で、ブラジル娘(←カルメン・ミランダ風)、中国娘、フランス娘と扮装を変えて器用に演じ分けていたメアリーという娘に目をつけて、彼女をフランス人女優に仕立てて売り込むとともに、自分も映画監督に返り咲くことを目論むのですが…。

「マイ・フェア・レディ」やバーグマン主演の「追想」を連想させるストーリーなのですが、メアリーをフランス人に仕立てるための教育の描写などはあっさりしたもので、メアリーはあっという間にジョンのことが好きになってしまいますし、一方のジョンは、融通のきかない頑固な性格で、メアリーを映画プロデューサーのダグ(ウィラード・パーカー)に近づけておきながら、2人の関係が親密になると嫉妬心を起こしつつも、メアリーに対する自分の気持ちに素直になることができずに2人の気持ちがすれ違っていってしまう…

という過程がかなりさらっとしたタッチで描かれているので、インパクトに欠けるという印象を受けるものの、メアリーを演じているドロシー・ラムーアのスター女優としての存在感が十分に出ているので、珍道中シリーズなどよりもラムーアの魅力をたっぷりと堪能できるのではないかと思います。

ラムーアは、コメディエンヌとして良い意味でキャラクター化されていないアクのない演技を見せていて、これは共演のアメチーを始め、脇を固める俳優陣についても同じように感じることなのですが、コメディに走りすぎることなく適度に抑えられているので、全体の印象が野暮ったくありません。

「チャーリーズ・エンジェル」でボスレーがチャーリーから指令を受けるみたいに、ダグがスピーカーから聞こえる声だけでスタジオのボスから指示を受ける場面でのやり取りもユーモアのある描き方になっています。

この辺りにダグラス・サーク監督のセンスの良さが出ていると言えるのかもしれませんが、個人的には、より濃厚にメロドラマを前面に押し出した50年代の諸作(特に、ロス・ハンターが製作したもの)よりも取っつきやすさを感じました。

作品のスタイリッシュな一面が端的に表れているのが、劇中劇の形で披露されるミュージカルナンバーで、当時弱小映画会社だったコロンビア社製作のモノクロ作品であっても、黒を基調とした陰影に深みのある映像美と構図の良さに加えて、ダンサーたちの洗練された動きが素晴らしく、歌を披露する場面でも、ラムーアのエンターテイナーとしての実力が遺憾なく発揮されています。

また、冒頭の映画撮影のシークエンスで踊っていたアデル・ジャーゲンスも、ラムーアやアメチーのようなAクラスのスターがメインの作品では、出番の少ない傍役に回ることが多いものの、Bムービーでは主役を張るスター女優だった人ですし、本作の前年にはまだスクリーンデビューして間もない頃のマリリン・モンローの母親役が印象的だった「レディース・オブ・ザ・コーラス」(日本では劇場未公開作ですが、ビデオ時代には国内版のVHSソフトが出ていました)でもしっかりとした演技を見せていただけあって、本作のちょっとしたダンスシーンでも見劣りしないという、当時のスター俳優の層の厚さというものも感じました。

〈ダグラス・サーク傑作選のDVDで鑑賞しました。おうちでシネマヴェーラ〉

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