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DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る? (2013)

監督
高橋栄樹
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  • みたログ 230

3.46 / 評価:139件

勝者の孤独と敗者への想像力

  • din******** さん
  • 2014年7月14日 23時54分
  • 閲覧数 488
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

第二弾が戦争映画のようなハードさを纏いながらアイドルの残酷な現実を生々しく映しだした時、観た観客の多くがやるせない気持ちになったはず。二位という順位に対する悔しさを舞台裏でぶちまける大島優子の姿がまさにそうで、これを映像に記録し、あまつさえエンターティメントとして受け止めていいのかと。
正直、僕も見た直後は知恵熱が出るほど悩みました。
そして、本作公開時期に峯岸みなみの丸坊主騒動などが重なり、ここまで彼女たちを追い詰めるシステムってなんじゃいと、また知恵熱を出しながら考えを巡らせていました。そんな気分で劇場に行くのはすごく複雑な気持ちでした。
ですが鑑賞後に一つの答えのようなものを得られることができました。
アイドルに限らず、この世の中には勝者と敗者の二通りの人間がいます。そしてその数は敗者の方が圧倒的で、我々はそちら側になるほうが多いわけです。そして、敗者の中には誰の記憶にも、記録にも残らず消えてしまうこともあります。しかし、そんな消えゆく敗者の物語は勝者の物語と同じくらいに尊い価値があるのではないかと思うのです。ならば、残酷と思えたあの光景も彼女たちが確かにそこにいたことを記録するという意味では優しき目線と言えるのではないでしょうか。
では、勝者になった者は果たして幸せなのでしょうか。本作では唯一無二の勝者として前田敦子が扱われます。しかし、前作でのスピーチから解るように彼女は常に孤独なオーラが付きまといます。本作で象徴的な説明がされるポジション0センターの立ち位置は、その言葉が指し示す通り目前に仲間がいない究極の孤独の場所です。そんな中で何年も戦ってきた彼女が幸福だったとはどうしても思えません(もちろん、仲間の支えもあり、その中で楽しい時間を過ごしていたと思いますが)。むしろ、卒業発表をした彼女は今までにないくらい生き生きとしていて、卒業コンサートの姿は今までのどの姿より美しかったです。
ここから解ったことは、自分を追い詰めて傷つけ続けるなら、一度くらい負けてもいいんじゃないかということです。恋愛スキャンダルでHKTへ移籍となった指原莉乃は一度は地に膝を付けたかもしれませんが、そこで自分の為すべきことを見つけました。同じ理由で卒業した平島夏海の卒業後の姿はどこか清々しささえ感じました。自称行為の様な映像を動画サイトにあげるよりはファンにもメンバーにも良いように思えました。

その年の総選挙はまるで本作の新のフィナーレというべきものでした。指原莉乃が一位になり、峯岸みなみがありのままの姿でスピーチをし、平島夏海が62位になり本当の花道を歩むことができました。そして、その流れを全てくんだかのような曲「恋するフォーチュンクッキー」が大ヒットした時、前作からずっと続いていたアイドル残酷物語にようやく一つのハッピーエンドが訪れた気がしました。

詳細評価

物語
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音楽

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