循環
- raz***** さん
- 2020年10月27日 15時54分
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良く分からん映画だったw
面白いシーンもあるにはあるが、むかっとするシーンが多かった。
とくに、遺産放棄のところや、田んぼに団子餅を投げ捨てるところは、見ていてしらけてしまった。そして何といっても最後のマグロ落ちは椅子から転げ落ちそうになったw
正直、違和感だらけの映画で眉をひそめてしまう箇所が多い。
ただ、それらのシーンには何か意図がありそうにも思える。
特に最後のマグロは、マグロが好きな父の骨をマグロが喰らうわけで、食う食われるの生命の循環を想起させる。そして、この映画は葬式映画だった。生あるものが死んだらそれでおしまいかという議論に対して、生命の循環という大きな枠組みで考えるように誘導しているかのようだ。
団子餅は米からできていて、その団子餅を稲が育った田んぼに放り込むのは、ある種の循環になっている。
この映画のタイトルは「チチを撮りに」。父の写真を撮るために主人公姉妹は旅に出た。ところが、実際に撮ったのは血肉が燃え尽きた遺骨の写真。このシーンは「父とは何か」を問いかけていると思う。この問いかけには遺産のシーンも絡んでいて、主人公姉妹にとって「父とは遺産のことか?」と問うていた。
人間は死んだら何も残らない。遺体は焼かれて生命の循環からも外されてしまう。でも生きていた証は誰だって欲しい。それは遺産なのか、それとも他のものなのか。一つの答えは、小さな息子の存在。父と息子は命が繋がっている。そして主人公姉妹もそうだった。子孫がいることが生きた証となる。母から届いたショートメールの文面もそれを伝えていた。姉妹たちの中に残された父の思い出もまた証なのかもしれない。
子供たちは母乳を飲んで育つ。この映画のラストでは、育った子供たちが母のもとに帰ってきた。これもまた循環。居場所がなくなったあの小さい息子もいつかは母のもとに帰るという予感をさせてエンディングとなる。なので「循環」をモチーフとした映画なのかな。
ただし、モチーフが循環だとして、だから何だっていう気持ちが拭いきれない。
大事な何かが欠けている気がするが、よくわからない。
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