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君と歩く世界
2013年4月6日公開

君と歩く世界

DE ROUILLE ET D'OS/RUST AND BONE

R15+1222013年4月6日公開

nor********

5.0

私たち自身にもある各々のハンデについて

この映画は、もちろん両脚を失うというハンディキャップを持った女性が、自分自身を取り戻すまでの過程を追った作品なんですが、あくまでそれは筋書きの一部分でしかなくて。 シングルファーザーの男性主人公の方は温かい偏見のない性格なんだけど、倫理観も恋愛観も生活設計もルーズで欠落していて、勿論彼は身体こそマッチョで健康なんだけど彼のこの内面の欠落の方が、両膝下が無いのと同様にあるいはそれ以上に深刻。 まあ、マリオン・コーティヤールさん演ずるヒロインも、脚を失う前も後も、元々の性格は大胆と言えば聞こえはいいものの、短気でヒステリックな褒められないタイプ。 この凸凹な完成されてないカップルとその周りの人達の地味なようで荒波に満ちた物語は、本当に私達の世界そのもの。 大きなハンディキャップを題材にしながらも、人間って皆完璧な形ではなくて、内面や外見でも何かしらの欠落があり、自覚無自覚に関わらず、そんな自分を必死に切り盛りして生きていくしかない、そしてそこにこそ人間の希望がある、という地に足のついたメッセージを受け取った気がします。 男性主人公を演じたマチアス・スーナールツさんは、カメレオン俳優さんとはこの事で、端正な美形なのに、身体から動作からすっかりだらしなくってゆるくって、主人公そのものだった。惚れ直しました。 ジャック・オーディアール監督の作品は初めてなんですが、とても気に入りました。 イメージワードに一つも合致しない作品は初めてかも、敢えていうなら、リアリティ、かも。

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