ここから本文です

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ) (2013)

Private Eye in the Distant Sea

監督
静野孔文
  • みたいムービー 96
  • みたログ 1,132

3.63 / 評価:846件

海上自衛隊のプロモーション映画

  • yuki さん
  • 2019年7月12日 17時48分
  • 閲覧数 73
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

イージス艦を舞台にした殺人事件、脚本は『相棒』などを手がける櫻井武晴と、本格的なミステリ作品がコナンで楽しめるかもしれないと期待したが肩透かしであった。殺人事件のほうはトリックと呼べるものさえない他愛のないもので特筆すべき所はなにもない。劇場作品のスケールを活かすことが出来ておらず、現作の短編エピソードのほうがよほど出来が良いと言える。イージス艦というスケールと殺人事件が最後まで分離したままで、大きな舞台で小さな事件が起こっているという居心地の悪さが始終漂う。

個人的に良くないと思ったのは無意識的なナショナリズム映画になっていることだ。海上自衛隊のイージス艦に仮想敵国のスパイが潜り込んでいるというセンシティブな内容に最初は驚いたが、実はそれ自体がひとつの引掛けで・・と思ったら本当にそのまんまの内容なので更に驚く。海上自衛隊旗の旭日旗まで丁寧に再現していたのは海外興行にはマイナスだったのではないだろうか(旭日旗を批判する意志はないが)。要はナショナリズムを掻き立てる映画ながら、それに対するストッパーや躊躇がなくそのまま突き進んでいくような物語に違和感というほどではないが、時代錯誤な映画の印象を受けた。敵国はあくまで「どっかの国」とボカしてるのがまた小賢しい。

物語冒頭、未確認物体がイージス艦に接近してくるシーンはレーダーの探知機だけで場の緊張感を演出しておりなかなか良かった。押井守監督の『劇場版パトレイバー2』に通づるシーンであっただけに、なおさら後半部分の批評性のなさが気に障った。『パト2』から20年経って作られる映画がこれかあ、と落胆した。『パト2』で語られた先進国の偽りの平和、『二課の一番長い日』で描かれた日本の不完全な防衛力、そういった我々の日常への懐疑が戦争という形で表出するのが押井の戦争(クーデター)映画だ。
この映画にあるのは、「悪い国家」とそれを倒す正しい日本国という、単純な善悪二元論のみ。本作は海上自衛隊のプロモーション映画にしかなっていない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ