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モンスター・イン・パリ 響け!僕らの歌声 (2011)

UN MONSTRE A PARIS/A MONSTER IN PARIS

監督
ビボ・バージェロン
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3.60 / 評価:43件

巴里が水浸しになったのは1910年でした

  • bakeneko さん
  • 2020年5月12日 7時09分
  • 閲覧数 370
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

いきなりすみません!
映画の洪水は実際にあった災害で、このことから映画の舞台となった年代を正確に確定できます。1910年1月21日に、嵐によってセーヌ川が氾濫して巴里が浸水した100年前の洪水がそれで、「ラ・グランド・クルー(大洪水)」と呼ばれています。市内1万4000以上の建物が数カ月にわたり冠水しました。
また、本作のモデルとなったガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」は1909年9月23日から1910年1月8日まで日刊紙『ル・ゴロワ』に連載されていました。
更に、劇中で“メリエスの新作かな?”というセリフがありますが、「月世界旅行」などのジョルジュ・メリエスは映画産業を独占しようと欧州に襲来したアメリカのエジソンを牽制するのに忙しく、1908年から映画製作を中止しており新作が待望されていました(映画創生期の乗っ取り工作の様子を知ると、エジソンの横暴さがよく判りますよ~(まあ、映画に限ったわけではないのですが…)。

20世紀初頭の巴里を舞台にして、ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」やジョルジュ・メリエスの「La Chrysalide et le papillon d’or」をモチーフにしたファンタジーアニメーションで、大洪水の巴里で不思議な科学実験で誕生したモンスターを巡る冒険が、音楽に彩られて展開します。

発明家志望の配達員のラウル(アダム・ゴールドバーグ)と映写技師のエミール(ジェイ・ハリントン)は荷物を届けに行った巴里植物園で事故を起こして新薬を混合してしまい、サルに付いていたノミが巨大化&歌を歌えるモンスター:フランク―ル(ショーン・レノン)になる。モンスターはラウルの幼馴染でキャバレーのスターであるルシール(ヴァネッサ・パラディ)に匿われ音楽の才能を開花させるが、政治進出の野心を持つ街の実力者:ヴィクター(ダニー・ヒューストン)はモンスターを退治して宣伝に利用しようとして、フランク―ルを捜索させる…というお話で、本作には日本で観ることのできる英語版以外にフランス語版もあって、ルシール役のヴァネッサ・パラディは共通ですが、フランク―ルをフランスの人気歌手:マチュー・シェディッドが声を当てていますし、ラウルの愛車:キャサリン→カトリーヌというように(当たり前ですが)よりフランス的な雰囲気の作風となっています(youtubeに2つのバージョンの歌が揚げられていますので聴き比べてみましょう)。
冒頭のステファン・グラッペリ風の音楽から始まって、ルシールの歌曲やフランク―ルの歌声など、魅力的な曲を複数聴かせてくれる作品で、同じく音楽がノリノリだったアニメーションの快作「ベルヴィル・ランデブー」の愉しさも連想させます。
また、巴里の街、エッフェル塔、巴里植物園、モンマルトルの丘とモノレール、セーヌ河…と当時の巴里の風物が再現されている20世紀初頭の情景もノスタルジックでクライマックスの飛行船もスペクタクルと共に風情を感じさせます。
「ディリリとパリの時間旅行」と同様に古き良き巴里での冒険譚と卓越したフレンチ音楽が愉しめる娯楽作で、華やかで勝気なルシールも素敵ですが奥手の眼鏡っ娘:モードも可愛らしいですよ!


ねたばれ?
1、ジョルジュ・メリエスの「La Chrysalide et le papillon d’or」(1901年)は、魔術師が毛虫を蝶の翼のある美しい女性に変化させ、逆に自身が毛虫に変化する2分弱のファンタジーです(youtubeに揚がっていますよ)。
2、フランク―ルの扮装は、ロートレックの代表的絵画「アンバサドールのアリスティード・ブリュアン」をモデルにしています。

詳細評価

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