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シャーロック・ホームズの殺しのドレス

bakeneko

5.0

ネタバレ変な囚人服!

1940年代を中心として,ユニバーサル社が作った―ベイジル・ラスボーン:ホームズ&ナイジェル・ブルース:ワトソン―のコンビが活躍するオリジナルホームズストーリーであります(現在超廉価版でシリーズ作品を愉しむことができます)。 1939年の『バスカヴィル家の犬』から1946年まで14本の映画が作られた人気シリーズの最終年度の作品で,原作の蘊蓄やキャラクターの個性を上手く織り込みながら全くオリジナルの推理話を展開しています。 時代設定が19世紀の終わりから現代のロンドンに変えられていて, 自動車が行き交い, ホームズがオートマチックの拳銃を扱い, 証拠品のX線鑑定まで出て来る トンデモ翻案ぶりに唖然とする作風ですが, 映画ならではの“見せる&聴かせる”トリックを話に盛り込んだり, 他のホームズ作品の引用(例―“ボヘミアの醜聞”のアイリーン・アドラーがちゃんと“ジ・ウーマン”と呼ばれています!), 英国ならではのジョーク(“スコットランド人は…”は笑えます!), 等サービス満点の作品で, ちょっと駆け足&矛盾がある推理も,最近のシャーロックシリーズに比べれば正統派推理と胸を張れる?ものがあります。 ポンド札の版木の隠し場所を示唆するオルゴールを巡っての,ホームズvs悪女(パトリシア・モリソン♡)の知恵比べが楽しい冒険譚で,72分の長さにそつなく纏め上げています。 本家程の緻密さはありませんが,ホームズの映画オリジナルの活躍を愉しめる良質の娯楽作で,この作風が気に入った方はあと13作ありますよ! ねたばれ? 最後に記念館が出て来る―サミュエル・ジョンソンは,法学博士号をもつ18世紀の英国の有名な学者であります。 「英語辞典」の編集やシェイクスピアの研究で有名な人ですが,現代ではむしろ多くの有名な箴言が残っていて, “愛国心は無頼漢の最後の隠れ家” “政府は我々を幸せにすることはできないが、惨めな状態にすることはできる”等の政治的な言葉や, “結婚は多くの苦悩を生むが、独身は何の喜びも生まない” “金のために結婚するものは悪い人間であり、恋のために結婚するのは愚かな人間である”等の結婚に関する名言は有名であります。 “音楽は背徳を伴わない唯一の官能的な愉しみである”ってのもあります(今だったら映画もこれかな~)。

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