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かぐや姫の物語 (2013)

THE TALE OF THE PRINCESS KAGUYA

監督
高畑勲
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4.02 / 評価:4758件

解説

数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「かぐや姫の物語」「誰でも知っている物語」を飽きさせずに見せる演出と表現力

 はぁーーあ。観終わった後、思わず深いため息をついてしまった。あまりにも集中していたせいである。まず浮かんだ感想は「ただただ圧倒的」。

 日本最古の、日本人なら誰でも知っている物語は、なにも斬新な解釈でもって語られ直されているわけではない。奇をてらわず、現代の観客がかぐや姫の心情を深く理解できるようきめ細かく補足しているだけ。「姫の犯した罪と罰」というポイントをおさえつつもそこをことさら強調するわけではなく、最後に「ああ、そうだったんだ」とその思いがボディ・ブローのようにきいてくる感じ。紛れもなく私たちの知っている物語そのものなのだ。だというのに2時間17分、まったく飽きさせることなく観客の心を惹きつけ、かきたてる。

 そこにはまず、画の力、演出の力がある。なめらかに動き、登場人物の心を雄弁に映し出すのは淡い色彩の水墨画のような描線の画。タッチやテンポを自在に変えながら、感情を描ききるアニメーション表現の豊かさ、美しさ、新鮮さ、力強さ!

 そしてそれは姫だけにあてはまることではない。たとえば、幼い姫が近所の子たちに「たーけの子!」とはやし立てられ、よろよろ歩くのを見て、愛しさのあまりたまらず駆け寄る翁。手に取るようにわかる感情に思い入れられるからこそ、翁の犯した罪と罰もまたくっきりと浮かび上がり、せつなくてたまらなくなる。声優陣は完璧だし、劇中のわらべ唄、ラストに流れるテーマ曲も、物語の力を強く後押しして消えない余韻を残す。8年の歳月、50億円の製作費をかけた高畑勲監督のルナティックな執念は、見事な結実を見せている。(若林ゆり)

映画.com(外部リンク)

2013年11月21日 更新

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