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くちづけ
2013年5月25日公開

くちづけ

1232013年5月25日公開

fufufu

1.0

ネタバレホームで障がい者支援をしている者です。

知的障がい者のケアホームを運営している社会福祉法人の職員です。この作品、あまりにも「知的障がい者の地域生活」の現場の実情からかけ離れているように感じました。あり得ない点が多すぎて、観ながら終始イライラしていました。福祉関係者や障がい者本人、ご家族が観るにはかなり覚悟が要ります。 いくつか「納得できない」点を挙げます。 ・グループホームの運営ですが、利用者の「障がい者年金」だけで運営している、という設定はまずあり得ません。ボランティアだけで運営するなんて無責任極まりない。 ・「近所の家に勝手に入ってカレーを食べていた」って…不法侵入です。これを放置していたら、地域で生活できなくなりますよ。ホームの職員は、こういったことが起こらないように支援の計画を立てて実行しています。ましてや女子高生の胸を触るなんて…。巡査がしょっちゅう出入りするホームって…。よく存続できますね…。 ・利用者の頭を叩いてはいけません。勤務中に酒飲んでるスタッフなんて…辞めてもらいます。 ・男性恐怖症のマコちゃんが「障がい者の男性は怖がらない」って。おかしいですよね。 ・なにより、「うーやんを引き取ったともちゃん」や「マコを生涯面倒みると決めたいっぽん」は、美談ではないと思います。いわゆる「共依存」という状況に陥っていると考えます。彼らが抱え込まなくてもいいように、法制度は整備されていますし、私たち福祉職員は日々奮闘していることを知っていて欲しいです。「娘を殺してしまう」なんて「愛情」とは思いません。 他にも数々の?点がありますが、ドキュメントではないのである種の「ファンタジー」と考えて観ていました。 元は演劇だったということで、セット中心の映画ですが、もっと外が観たかった。「彼らがどのように地域で生活をしているのか」ということを描いて欲しかったなぁ。ホーム以外にも、うーやんやマコちゃんの職場も観たかった。「入所施設」じゃなくてグループホームなんだから…。 今の「知的障がい者のホーム」が、みんなこの映画のような状況と思われたくありません。誤解しないでいてほしいです。しかし、今まであまりスポットライトが当たらなかったので、これを機に多くの人が、障がい者福祉に興味を持ってくれたらいいな、と思います!

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