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バーニング・クロス (2012)

ALEX CROSS

監督
ロブ・コーエン
  • みたいムービー 14
  • みたログ 196

2.65 / 評価:91件

監督、俳優ともに適正がないのが残念。

  • kug***** さん
  • 2017年5月4日 10時06分
  • 閲覧数 826
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 日本ではあまり知名度がなく、あまり翻訳されていないミステリー&サイコサスペンス小説「刑事 アレックス・クロス」シリーズの『三度目』の映画化!
 はい、実は三度目です! 
 最初は1997年、第2巻「キス・ザ・ガール」が原題のまま「モーガン・フリーマン」主演で映画化。邦題は「コレクター」。以降、似た邦題をつける映画が登場したくらいには流行った映画なので御存知の方も多いかと。(「ボーンコレクター」は別の人気シリーズ「リンカーン・ライム」の第一巻の原題のままの映画化なので違う) 個人的には娯楽映画としては悪くないが、ミステリーとしては物足りない作品。
 二度目は第1巻「多重人格殺人者」を同じく原題の「アロング・カム・ア・スパイダー」で映画化。邦題は「スパイダー」。いまいち覚えていないし、これで映画化も打ち止め。
 そもそもクロスはワシントン市警の刑事で心理学博士でありながら腕っ節も強いという若き万能の天才。年だしアクションも苦手なフリーマンのやる役ではないです。そんな彼が毎回、ライバルとなるモリアティ教授を思わせる数学者で狡知の犯罪者「ゲイリー・ソーネジ」を初めとする悪魔のように異常で完全犯罪を達成する寸前の高い知能を持つ犯罪者に知恵と心理学と腕っ節の強さで立ち向かう。そして、無敵のクロス刑事の弱みは友人や家族で、毎回彼らが巻き込まれ、クロスは足止めされてしまうという、ややマンネリな展開ながら1993年の第一作から2015年までに23作が書かれている息の長いシリーズです。
 本作は2006年出版の第12巻「クロス」を原作とする映画化で監督は「トリプルX」「ワイルドスピード」の「ロブ・コーエン」。アクション映画に定評のある監督だけにアクションシーンは申し分ないと思います。しかし、サスペンス、ミステリーとしてはダメ過ぎます。前半は盛り上がるものの、後半はまさになし崩しと力技のみ。ミステリーもので探偵役が素手で凄腕の殺し屋をブチのめせてたらダメでしょ? 前半は演出がミステリーにそぐわないもので違和感も多い(いきなり超推理を展開など)のですが、なんとか推理モノになっているのに、最後がそれでは。もっと、しっかりと追い詰め、知恵を使って笑えるくらいに犯人が弱りきってボロボロ、フラフラになったところを素手でぶちのめすのなら抜群のカタルシスなのに…。原作では腕っ節が強い刑事だと知っていてもこの程度では違和感です。いかにクロスが強いかという演出も不足。そもそも、クロスを演じるのがコメディ畑の「タイラー・ペリー」というのが違和感。ただし、かなりがんばっていて好感は持てます。ピカソのような絵を残す殺し屋を演じる「マシュー・フォックス」は役作りのため筋肉を作り、体脂肪を極限まで落としたということで、その冷酷かつ猟奇的で変態性十分なキャラクターは実にすばらしく、この映画一番の見所となってます。

 以降完全にネタばれになりますので、この作品にそれでもミステリーとして向き合いたい方のために、行を空けて閲覧しにくくします。



 それゆえ、こんなすごい殺し屋が終盤になぜかクロスにあっさりと殴り合いで負けて死んでしまうという展開が余計に許せない。そして、無意味な「ジャン・レノ」の配役。地元の嫌味極まりないフランス系の名士の役を演じているのですが、これがまた面倒くさい役周りな上に出番はほとんどない。この面倒くささは完全に作品のネタばれなのでまた行をあけます。



 実はこの名士、本人と影武者の二人ともをジャン・レノが演じているのですが、その違いが良くも悪くも「指輪をはめているか否か」でしかありません。作品としてオチはしょうもなく、実は不正がばれる前に殺し屋を雇って死を偽装し、海外で安穏と余生を過ごそうと考えている卑小極まりない男で、そのために雇った「よくわからない殺し屋」が目的の為なら虐殺もいとわないどころか、殺人自体が大好きな狂人だったために大量虐殺が行われ、クロスの部下や妻までもが遊びで殺されたという酷い話。この酷さは原作由来であるだろう、ゾッとする真相で好感は持てるし、個人的にはそれに対するクロスの気の利いた復讐も含めて、すごく良いのですが、嫌いな人には許せない類のオチでしょう。しかも、演じるジャン・レノがジャン・レノに見えないくらいどうでもいい、誰でもいいような風貌と演技で「ここにいったい予算の何%を突っ込んだんだ?」と怒りたくなる。フランス系でも、もっと良くて安い俳優はいくらでもいるでしょうに。
 客寄せパンダキャスティングでしょうが、こんなの見せられてもねぇ…。

 くりかえしですが、脚本も酷い上、ロブ・コーエンは馬鹿アクションの天才ですが、ミステリーを撮るのは無駄な演出ばかりでやはり無理だった。アクション映画として見れなくはないけど、そっちのボリュームは薄いので、最初からアクション映画を見た方がいい。「ジェームズ・ワン」あたりが監督ならならなぁ…。

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