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オブリビオン (2013)

OBLIVION

監督
ジョセフ・コシンスキー
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  • みたログ 5,181

3.46 / 評価:3390件

オブリビオン(忘却)されるべき作品

  • bar***** さん
  • 2018年8月12日 14時04分
  • 閲覧数 3230
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

オブリビオン。

私の見た感じ、テレビゲームの設定を生かしたようなSF映画だと思いましたね。よくある近未来系FPS。いちおう表面だけは作っておきながらも、その実設定の中身はスカスカなのも、すでにあるゲーム的設定から作っているからだと思います。

トム・クルーズはこういう役柄で定まってしまったような印象です。個人的には残念。もっと色々な幅のある演技ができる人だと思うのですが……似たような役柄で似たような表情、役者の価値を落とすような仕事だったんじゃないかと思います。

この映画のストーリーの内容は一見きちんと作ってはおりますが、その実複雑で不必要な仕掛けがいくつも施されており、楽しみにくくなっています。

まず我々には入り口がわからない。主人公の立場や人間性が作品内で重要視されていないからです。我々は主人公にその身を置き換えることができない。無駄に装飾的で入り込みにくいからです。だからじょじょに疎外感が生まれていきます。登場人物たちが我々を置いて勝手に話を進行させてしまう。

これはSF的な用語の羅列がわれわれには理解しづらいからというのもありますが、主な理由は監督がわれわれの見え方をきちんと配慮しておらず、入り口を用意しないで作品の完成に躍起になっているからですね。

そういう「周りが見えていない」感というんでしょうか、SFに限らずファンタジーといえば魅力的な世界にわれわれ視聴者が降りたって主人公とともに冒険するような感覚になるのが大切なポイントですが、この映画は閉じられた世界観で、容易にわれわれには理解しづらいように出来ている。

ミスリードというか、重大な主人公の立場の変換が行われるのも、アイディアとしては悪くないのですが、作品構造的にうまく配慮しないと、物語の魅力をいっそう複雑にするだけで、視聴者の視点を混乱させてしまう結果になってしまいがちです。

物語事実的には何か重大なことが行われているということがわかります。ですが、それを完璧に同調して理解する足がかりがわれわれに十分に与えられていたでしょうか? きちんとわれわれの見え方を考慮してシーンやキャラクター性が配置されていたでしょうか?

1シーン1シーンのクオリティという話にすると、CG好きの私としては良いポイントもあったのですが、全般的に凡庸で他のアクション映画と変わりがなく、内容はそれ以下のすっからかんで、筋がきちんと通っておらず、宙に浮いてふわふわしているような印象でした。設定もきちんと作り込まれているとは思えませんでしたし、監督にすべてのファクターを掌握する実力が足りていなかったとして問題ないと思います。

調和のちの字もなく、ただ派手で綺麗なCGを使って、壮大で張りぼて感の強いSFワールドを構成し、われわれにその中に入らせてくれることもなく、ただ登場人物たちが勝手に驚いたり嘆き悲しんだりしながら、話を進めていくのを、われわれは無感情で見つめるほかない、最悪(商品になるレベルとしては。これ以下のゲテモノも存在します)のSF映画の一つだと思います。

ただ、こういう自分勝手な映画って結構あるんですよね。監督に落ち着きが欠けているというか、派手なワールドを構成する力しかなく(そんなこと並の監督にでもできる)、それを視聴者と分かち合う「作品」というものに結びつけることができない。

ただなんとなく見る分にはいいかもしれません。ストーリーも理解して作品を味わい尽くそうという人には絶対に向いてません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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