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ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)

EN KONGELIG AFFAERE/A ROYAL AFFAIR

監督
ニコライ・アーセル
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3.83 / 評価:175件

A・ヴィキャンデルの出世作になるだろう

  • 深海魚 さん
  • 2013年8月26日 15時01分
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

精神的に病むデンマーク国王クリスチャン7世の侍医となったストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)が、しだいに国王を意のままに操って枢密院から政権を奪っていくようすを軸に、王妃カロリーネ(アリシア・ヴィキャンデル)との禁断の恋を絡めた物語だ。これが、18世紀のデンマーク王室で起きた史実を元にしていることには驚きを隠せない。


137分の尺は、まったく長く感じない。脚本が丁寧で、物語をしっかり見せる力があった。例えば、カロリーネが知的な女性であることを観客に伝えたいときは、それをセリフで表現するのではなく、本棚に置かれたルソーの「社会契約論」を話題として取り上げるなど、映画として映像を中心に伝えることができている。首尾よく政権を握ったストルーエンセが、国王に応対することがしだいに面倒に感じてきたことを伝えるときも、敵対する貴族たちと同じように国王を粗雑に扱っていくようすを描くことで、自然に映像として伝えることができていた。

冒頭のカロリーネが2人の子ども(フレデリクとルイーセ)に宛てた手紙を読むシーンが、巧妙にラストのシーンにつながっていた。亡き母の元を訪ね、その手紙を子供たちが読むシーンはとても余韻がある映像だった。さらに、それに続いて「後に、フレデリクは、皇太后の一派を追放して、ストルーエンセが行った改革を継承した。」という内容の字幕が映されたが、ストルーエンセの遺志をしっかりと受け継いだものとなっていて、本作の魅力をさらに確固たるものとしていたと思う。


マッツ・ミケルセンは、本作と同年に製作されたカンヌ国際映画祭の男優賞受賞作の『偽りなき者』のときは、主役としての存在感にやや物足りなさを感じたが、本作では、終始、圧倒的な存在感があった。本作は、まさに「北欧の至宝」と言われる彼のための映画に仕上がっていた。


本作が、アリシア・ヴィキャンデルの出世作になることは間違いない。『アンナ・カレーニナ』のときと同様に、舞踏会での優雅さと華やかさには目を見張るものがあった。また、ストルーエンセとの絡みでは、きちんと体当たりシーンになっていたのはよかった。しかし、ストルーエンセとカロリーネの関係を考えると、脚本的には、もう少し濃密に絡んでもよかったのではとも感じた。

『アンナ・カレーニナ』では、キーラ・ナイトレイがアンナ役で主演をし、ヴィキャンデルはキティ役で脇役だった。しかし、特に物語の終盤では、どちらが主役か見間違うほどの輝きがヴィキャンデルにはあった。

そのヴィキャンデルが、本作で王妃カロリーネとして城の庭のベンチに座っている映像を見たとき、色合いや画角が『つぐない』で主演をしたときのキーラ・ナイトレイの林の中のシーンに非常によく似ていた。何か、運命的なものを感じた。ヴィキャンデルも名女優としての階段を着実に上っているように思えた。


皇太后やその側近たちとストルーエンセとの権力争いにはすさまじいものがあるのはわかったが、皇太后役のトリーヌ・ディルホムが『愛さえあれば』のイーダに見えてしまって、なんだかコメディーチックに見えてしまい、畏怖の念を感じることはできなかったことが残念だった。


P.S.
本作は、2012年ベルリン国際映画祭の銀熊賞(脚本賞)を受賞しただけでなく、デンマーク王クリスチャン7世を演じたミケル・ボー・フォルスゴーが銀熊賞(男優賞)を受賞した作品です。


2013年7月20日鑑賞

パンフ:買った。ストルーエンセの時代(18世紀後半)のデンマークの解説や王室の系図が載っている。写真は少なめで、企業の広告が5ページ分ある。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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