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ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 (2012)

EN KONGELIG AFFAERE/A ROYAL AFFAIR

監督
ニコライ・アーセル
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  • みたログ 306

3.84 / 評価:166件

トリアーはんは制作総指揮なので大丈夫。

  • Kainage_Mondo さん
  • 2013年5月4日 21時05分
  • 閲覧数 1372
  • 役立ち度 29
    • 総合評価
    • ★★★★★

地味な題名に煽情的な副題がくっついた本作。あっさりスルーしかけたのを踏み止まったのは、ラース・フォン・トリアー の名前を予告編で見たからだった。えっ ? 彼が自国のコスチューム・プレイを監督とは~と吃驚し、どんな怪作になるのかな~とわくわくしていたら、何と制作総指揮だって。わくわくして損した気持ちになったが、その代わり ( 笑 ) 真っ当で重厚な歴史劇を観ることができたし、デンマークの歴史の勉強もちょっぴりできた。監督に変な介入をしなかった制作者トリアーに感謝したい。


話は1766年~1783年 に至るものだが、初めの6年余の激動のドラマが本作の中心だ。ドイツ人の一介の町医者 ヨハン・ストルーエンセ ( マッツ・ミケルセン ) が、如何にしてデンマーク王室に入り込み、政治を牛耳るまでになったのか、という物語。

奇を衒わず、語り急がず、順序正しく節度をもって積み重ねられるエピソード ・・・ 非常にオーソドックスな演出で、ヨハン が クリスチャン7世 ( ミケル・ボー・フォルスガード ) の信頼をどのようにして勝ち得たか、イギリスから嫁いでいた 王妃カロリーネ ( アリシア・ヴィキャンデル ) の心をどのようにして掴んだか、非常な説得力をもって示してくれた。

はじめに愛欲ありきではなく、当時ヨーロッパを席捲していた啓蒙思想を中心に据えたのも巧かった。教会と貴族に隷属させられ、その支配から脱出できない農民・庶民という図式の旧体制。その弊害 ----- 街の不潔や天然痘の流行、厳しい検閲や罪人の拷問死などなど ----- を打破すべく腐心する、庶民の味方としてヨハンを描きながら、その改革が蟻の一穴から崩れ、反対勢力の巻き返しを許してしまう無念を強調することで、デンマーク王室の歴史的スキャンダルに止まらない 意味 を、物語に与えることに成功した。


【 余談 】 マッツ・ミケルソン は高邁な理想に燃える啓蒙思想家の医師を熱演。偽りなき者 → 偽りある者 に転落したのも相手があれほどの美人であれば宜 ( むべ ) なるかなと思わせた。アリシア・ヴィキャンデル は美貌 & 演技とも申し分無し。スウェーデンの有望株なんだって。12年 「アンナ・カレーニナ」 のキティ役でもあったらしいが本作で断然注目、今後の活躍を祈りたい。

詳細評価

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音楽

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