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ウォーム・ボディーズ (2013)

WARM BODIES

監督
ジョナサン・レヴィン
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3.93 / 評価:870件

解説

アイザック・マリオンの小説「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」を実写化した、異色のゾンビ作。ゾンビと人類が対峙(たいじ)する近未来を舞台に、人間の女性に心惹(ひ)かれてしまったゾンビ青年の恋の行方を追い掛けていく。主人公の恋するゾンビを、『シングルマン』『ジャックと天空の巨人』のニコラス・ホルトが好演する。メガホンを取るのは、『50/50 フィフティ・フィフティ』で注目を浴びたジョナサン・レヴィン。奇想天外な設定とコミカルな展開もさることながら、随所にちりばめられたゴア描写も見応えあり。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ゾンビと人類が戦いを繰り広げる近未来。ゾンビのR(ニコラス・ホルト)は、仲間と一緒に食糧である生きた人間を探しに街へと繰り出す。人間の一団と激闘する中、彼は自分にショットガンを向けた美少女ジュリー(テリーサ・パーマー)に心を奪われてしまう。ほかのゾンビに襲われる彼女を救い出し、自分たちの居住区へと連れ帰るR。彼の好意をかたくなにはねつけていたジュリーだったが、徐々にその純粋さと優しさに気付き出す。ついに思いを寄せ合うようになった二人は、ゾンビと人類の壁を打ち壊そうとするが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved
(C)2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved

「ウォーム・ボディーズ」ジョン・ヒューズの青春映画を思わせる、愛すべきゾンビ映画

 前作「50/50 フィフティ・フィフティ」で、生存率50%の青年の視点から生の営みをみつめたジョナサン・レビン監督。今回は、生ける死者(ゾンビ)になった青年の視点から恋を描いた。しかも一人称で!

 ゾンビ映画に社会風刺を求める人は、この作品に物足りなさを感じるかもしれない。それもそのはず、この映画の本質は青春ラブストーリーだから。もっと言えば、誰からも恋愛対象とみなされず、自分でも恋愛不適格者だと思っている男が、いかにしてキュートなお嬢様のハートを射止めるかという、恋愛のハウトゥものとして作られているからだ。

 まずはアプローチ。この段階で重要なのは、相手に関する情報収集だが、主人公のゾンビR(ニコラス・ホルト)は、お嬢様の彼氏の脳ミソを食べて記憶を追体験するという、えげつない方法でこれをクリア。さらに、懐メロを通じてコミュニケーションをとることに成功する。が、ときには「オレはノロマで猫背なゾンビだから」と落ち込むことも。

 そんなRの心情をモノローグで語らせ、恋にオクテな若者の共感を誘う作劇は、1980年代のジョン・ヒューズ脚本の青春映画を思わせる。そういえば、劇中には「フェリスはある朝突然に」のオマージュらしきオープンカーのドライブ場面が登場するし、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をゆるく下敷きにしている点は「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」と共通している。何より、「胸キュン」の感覚が呼び覚まされるところにヒューズ映画の遺伝子を感じる。

 「人間を人間たらしめているものは愛である」というテーマのつきぬけた楽観主義には少々着いていけない部分もあるが、それも笑って許せてしまう愛すべき映画だ。(矢崎由紀子)

映画.com(外部リンク)

2013年9月19日 更新

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