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宇宙戦艦ヤマト2199/第五章 望郷の銀河間空間 (2013)

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4.24 / 評価:82件

群像劇(笑)

  • t_n******** さん
  • 2018年10月6日 22時51分
  • 閲覧数 397
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 章を重ね、銀河系を離れれば離れるほど制作者の想像力が枯渇していくのがわかる。
 前章に比べると戦闘シーンが多く、オリジナル版にあるドメル将軍との攻防(3000隻の宇宙船、バラン星など)を下敷きにしているため、話のスケール自体は大きい。

 しかし、よくよく観ると、オリジナル版から変更した部分は新スター・トレックや他のSFドラマなどで観たことがあるような既視感が漂う。「パクリだ!」と声高には言わないけれども、ありきたりというか、こちらの予想の範囲内で話が動く。ヤマト内での反乱しかり、超古代文明の遺跡しかり、ワープゲートしかり。
 特にひどいと思ったのは、前章から引き続きむやみやたらにナチスドイツネタを突っ込むところである。ガミラス人が「宇宙ドイツ人」あるいは「ジオン軍」みたいである。
 また、総統暗殺からドメル将軍が罷免されて、ヤマトが助かるなんてあまりにナチスを引きずりすぎているし、オリジナル版以上にご都合主義的であるし、バラン星で観艦式なんて、ヤマトに殺されるため、七色星団のガミラス勢を絞るためだけの設定であり、まるきりギャグである。

 本作全体に言えることだが、基本的に本作の製作者は、ひとつつじつまを合わせようとするとただ単純にひとつ設定を加えたり、ひとつイベントを増やしたりすることで対応しようとする。「〇〇話で××という結論に至るために何話前に△△というエピソードを入れました」という感じで結論ありきで作っている。しかも、その結論ありきを隠すほど話運びが上手くない。

 本章は特にそうで、RPGのイベント消化みたいなとんとん拍子が鼻につく。
 またイベントを消化するとその設定やエピソードはその後の展開にほとんど寄与しない捨て設定となっていく。雪がイスカンダル人かという問題も単なるミスリードで他人の空似以上の結論がない。同じくイズモ計画も艦長の一喝で終わってしまい拍子抜けである。
 逆に設定をつけすぎたせいで矛盾が増えているところもある。
 ワープゲートの中で、雪はなぜ未知の文明のコンピュータにアクセスしてあんなにさっさとドアが開けられるの?ほんとはこいつ宇宙人なんじゃねえか?
 起動すると中性子線が出て操作者が死ぬ設計の操作室ってなんだ?古代アクエリアス人は毎回水に飛び込んでいたの?(笑)

 登場人物たちもそうである。総監督が「本作は群像劇」などと言ったそうだが、これで群像劇とはチャンチャラおかしい。
 基本的に、本作の脚本?監督?は、1イベントについて4人以上、2チーム以上が同時進行で動かすということができない。
 ヤマトでの反乱なんて最たるもので、あんなにいろいろと新キャラを作って設定画集を分厚くしても、動いているのは伊東、島、山本くらいである。ビーメラ星に降りた古代らはその間待ちぼうけ。主人公が活躍しないってどうよ?それ以外のクルーもこの間モブである。ごく単純な裏切りで幕引いてしまうし、とたんに女々しくなる新見も90年代的で古臭かった。

 4話目のワープゲート内の話はひどかった。脚本がこなれていないのか、感動を誘うシーンを入れようとすると、この制作者たちは昔語りなどだらだらと事実を羅列して恐ろしく時間を食う。オリジナル版の「科学は俺の敵だ」みたいな印象的な台詞や警句がない。ただだらだら話し、声優の力技と宮川音楽で感動を誘おうとする。
 下手なB級映画のようである。
 またちょっとした台詞がきちんと推敲されておらず、全体のクオリティを下げている。
 例えば「船務長が宇宙人だなんてショックだ。俺ファンだったのにな・・・」などという台詞をモブに言わせるのは、わざとらしい。また不人情に映る。井戸端会議のおばちゃんでもあるまいし、何十万光年も先から助けに来てくれた恩人に対し地球代表の900名がつぶやく言葉ではない。
 自分が宇宙人かもしれないと悩む雪に対する古代の励ましも全く励ましになっておらず、頭が悪そうである。本作の古代は、ぼんやりとしているかと思ったら突然旧作寄りの熱血が発作的に出てきたりして、ちょっと情緒不安定ではないだろうか?

 映像やスケールは21世紀なのに、脚本がご都合主義のB級クソ映画並み。
 レンタルビデオで十分。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • 絶望的
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