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映画 謎解きはディナーのあとで (2013)

監督
土方政人
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  • みたログ 1,551

2.96 / 評価:1068件

これこそが本格ミステリーなんだっちゅ~の

  • merryandfunnyandhappy さん
  • 2013年8月4日 18時45分
  • 閲覧数 503
  • 役立ち度 1000
    • 総合評価
    • ★★★★★

小説「謎解きはディナーのあとで」なのだが・・・10月の出版から5か月たってしまっていたけれどTVCMが気になってこれ以上遅れるよりはと2月に読んでみて正真正銘の本格ミステリーとしての完成度と読みやすすぎる読みやすさにそれまでに出ていた東川篤哉の全作品を読破した。
自分としてはドタバタギャグ要素が多い烏賊川市シリーズよりこちらのほうが完成度が高いと思った。
なにしろ安楽椅子探偵パターンだから麗子の情報だけをもとに読者と同条件で影山が推理する完全なフェアプレイを楽しめるのだから。
なぜ部屋の中で靴を履いたまま死んでいるのか?
なぜ死体を薔薇の中に置いたのか?
ホームズのシックスナポレオンズやダンシングメン以来の伝統の奇妙な謎の設定が嬉しい。
東川篤哉は本格ミステリーファンからはその伏線の巧妙さを高く評価されている期待の新星であることも知った。
本屋大賞を受賞すると本格ミステリーマニア以外も手にとるようになりくだらないバカバカしいとの声が高くなったがそれは本格ミステリーを純文学の読み方で読もうとする本格ミステリーの読み方を分からない素人の感想で極め付けなのはこんなのミステリーじゃね~という無知も極まったもの。
どうやら本格ミステリーの本格を本格的人間ドラマかなにかのことと勘違いしているようだけれど本格ミステリーの本格とは本格的な純粋理知の謎解きゲームのことで本作はその究極形といえるもの。
その証拠にリアリティーや人間性を重んじる社会派ミステリーを完全否定して犯人が動機を語ろうとすると「その話長い?」でおわりにしてしまう潔さ!
殺人現場で漫才をしているような不謹慎さも島田荘司や綾辻行人の新本格派の本格ミステリーといえば重い暗いものというイメージを破壊してゲーム性を強調するもの。
TVになると聞いてしかも櫻井翔主演と聞いてえ~?安楽椅子パターンだもの櫻井翔の出番は後半の屋敷内だけなのに大丈夫か?と思ったら・・・
櫻井翔をこっそり前半のどこかに登場させておく翔くんを探せ趣向にして安楽椅子パターンはこわしてしまったかわりに伏線やひねりを加えて謎解きは小説以上にタイトル通り必ずディナーのあとでにしてアメリカンコミック風のTVバットマン風のド派手な演出でゲーム性を高めてくれたのに感心満足させられることしきり。
特に感心させられたのは小説の2冊目の最後の書き下ろしがミステリーのルールを破った苦し紛れになっていたのを見事に脚色して堂堂たる傑作本格ミステリーのTVSPに仕立てたこと。
TVSPの感想を「筋金入りのギャグミステリー」と投稿したら「上質のコメディミステリー」という我が意を得たりな投稿がつづいた。
この脚色をしたのが黒岩勉で本格ミステリベスト10でも高く評価されていた。
今回はその黒岩勉のオリジナル脚本での映画というので楽しみにしていた。
TVシリーズ同様まずなにより本格ミステリーの面白さを維持する努力をしてくれたのが嬉しい。
鑑賞前にパンフレットの脚本黒岩勉と原作東川篤哉へのインタビューを読んで謎解きを一番大切にして作ったのを確認できてさらに嬉しい。
なぜ海に投げ捨てる死体に救命胴衣を着せたのか?
なぜ死体が全裸で土下座していたのか?
クイーンのチャイニーズオレンジやスパニッシュケープ以来の伝統の奇妙な謎の設定が嬉しい。
浮き輪、着ぐるみ、船内地図、船であること、ヒント、視線、などなど(伏線)がさりげな~くたくさん提示されているのが嬉しい。
櫻井翔も北川景子も椎名桔平もTV同様ありえなすぎるキャラクターをハイテンションに演じきってお疲れ様。
劇場にも本来の本格ミステリーマニアとは全然客層の違う女子小学生や女子中学生が大勢見受けられた。
嵐のコンサート会場っぽくなっていたし彼女たちは本格ミステリーとして楽しむわけではないのだろうが・・・。
同伴したグ妻も翔くんが2枚目な顔して3枚目な言動するのがいいっていってたし・・・。
TV同様謎解きゲームが大好きな本格ミステリーマニアと嵐ファン以外はやめておいたほうがいいと思う。
劇場で見たかぎりでは原作やTVを酷評していた層の人たちはわざわざ劇場までは来ていなかった感じだったが・・・。
本格ミステリーの門外漢が見ても「こんなのミステリーじゃね~」なんて失笑ものの感想をもつのがオチだからわざわざ入場料払って見当違いな腹をたてるために足を運ぶのはやめておいたほうがいいと思う。
本格ミステリーマニアは稚気あふれる遊びが大好きなのでクビ消しゴム300円は気にいった。
小説のほうは3作で潔く完結してしまったが映画のほうはヒットしてくれればまた黒岩勉の脚本で2作目を期待できるかもしれない。
小説では今度は倒叙ミステリーに挑んだ「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」が刑事コロンボ古畑任三郎レベルに上出来なのでこちらもTVから映画へと進むことを楽しみにしたい。

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