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ある会社員 (2012)

A COMPANY MAN

監督
イム・サンユン
  • みたいムービー 33
  • みたログ 267

3.57 / 評価:172件

変な映画。面白いんだけどね

  • i_seraphim さん
  • 2020年1月13日 22時41分
  • 閲覧数 696
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

最初見たときは普通におもしろいと思ったんだけど、改めて見返してみると変な映画だなー、と

典型的な普通の商社っぽいのに業務が暗殺というコントみたいな設定で、会社の日常的な空気感と暗殺業務の違和感がこの作品の個性

その着想は面白いんだけど、それだと『世にも奇妙な物語』の中の1エピソードぐらいの尺でないと色々アラが出てきて難しくなっちゃうのかな、と

劇中冒頭のミッションは警察が保護している証人の口を封じるという業務で、現場に居合わせた警察官も全員巻き添えにしている
これは財閥や政治家の発注した案件なんだろうけど、こういうことを業務としているならどんなルートで仕事をとってるんだろうとか、この規模の暗殺会社が存続するにはどんな力が働いているんだろうとかそういう背景が気になってしまう
尺を保たせるために恋愛要素を入れてみたりしているけど、その要素が作品の個性を中途半端なものにしてしまってもいる

30分か40分ぐらいの尺が適正な作品なのではなかったろうか
尺が長くなればなるほどあれこれ理詰めで考えてしまう要素が無駄に多くなってしまう

大人が日常の業務として淡々と暗殺をこなしていく様子を描くのであれば、クァク・ドウォンさんが社内で見せたようなまるでヤクザ映画みたいなあからさまで怒りに任せた暴力ではなく、ちょいブラックな一般商社のパワハラ上司ぐらいのネチネチした暴力表現のほうが面白かったんじゃないのかとか
いるよねー、こういう上司、って思えるようなテンションが適正だったんじゃないかなと
ソ代理もスケバン感出し過ぎだよ

暗殺は一種のイベント企画みたいな業務としておこなう、実際の殺人も屠殺業者が家畜を殺すときみたいな日常のルーティーンの手際の良さや空気感で、だったらもっとこの作品のコンセプトとして独特のヌルッとした怖さや凄みが出ただろうと思うんだよね
活劇ど真ん中のアクションよりも手際の良い屠殺業者を思わせるようなイメージの殺陣がこの作品には向いていたんじゃないかと
何事も匙加減なんで極端に日常っぽくするとコントになっちゃうんだけど、要はもう少しそっち寄りのテイストでシーンやアクションを構成していたらだいぶ個性的な映画になっただろうなと

あくまでもベースになるテンションや空気感が会社の日常の業務を感じさせてくれるものでないとコンセプトが曖昧になって軸がブレる
ちょくちょく中途半端に暗黒街っぽい芝居がかった空気を持ち込むから後半になって既視感のある流れになって緊張感が薄れてしまった

終盤のアクションはさすが韓流といった感じのカメラワークやアクション表現だったんだけど、たった一人で日常的に殺人を業務としている会社に乗り込んだという設定の殺陣にしてはストラテジー的に説得力が弱かったかなと
消化器を煙幕代わりに使ったシーンあたりはメリハリが効いてていいテンポ感だったんだけど、全体にやや行き当りばったりで頭使わないアクションシーンでした
密閉空間で大勢を相手にすると分かっているならガスや閃光弾の一つでも持ち込むだけでだいぶ説得力のあるアクション構成ができたように思えるんだけど

いや、面白いんですよ
映像や基本的な品質として充分な水準に達しているんだけど、やっぱりコンセプトを活かしきれてない感じが残念で、結果面白いんだけど変な映画という印象になっちゃってるように見える

「君に私のことを『解雇』することができると思っているのか?」とか気が利いててすごく面白かったんだけどね
こういう台詞回しは出色でした

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