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ペーパーボーイ 真夏の引力 (2012)

THE PAPERBOY

監督
リー・ダニエルズ
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3.52 / 評価:427件

解説

数々の映画賞を席巻した『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督が、ピート・デクスターのベストセラー小説を映画化したクライム・サスペンス。ある殺人事件を調査する兄弟が、事件の真相をめぐる複雑な人間関係に巻き込まれていく。主演は、『ハイスクール・ミュージカル』シリーズのザック・エフロン。彼をとりこにしてしまう謎めいた美女をオスカー女優ニコール・キッドマンがなまめかしく熱演するほか、マシュー・マコノヒー、ジョン・キューザックら実力派がそろう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1969年フロリダ、ある問題によって大学を追われた青年ジャック(ザック・エフロン)は、父親の会社で新聞配達を手伝うだけの退屈な日々を送っていた。ある日、新聞記者の兄ウォード(マシュー・マコノヒー)が、以前起こった殺人事件で死刑の判決が出た人間が実は無罪かもしれないという可能性を取材するため、実家に帰ってきた。そしてジャックは、兄の手伝いをすることに。取材の過程で死刑囚の婚約者シャーロット(ニコール・キッドマン)に出会ったジャックは、彼女の美しさに魅了されてしまい……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2012 PAPERBOY PRODUCTIONS,INC.
(C)2012 PAPERBOY PRODUCTIONS,INC.

「ペーパーボーイ 真夏の引力」ビッチのキッドマンに外れなし。腐った男女が肉の臭いにまみれて

 現役最高のビッチ女優はニコール・キッドマンである。

 え、リンジー・ローハンやブリトニー・スピアーズでは? といった異論も聞こえてきそうだが、あの娘たちは自意識と品行に問題があるだけで、女優の域には到達していない。

 が、キッドマンは文句なしに女優である。頭と身体がよく動き、だらしない肉食獣を演じると最高に光る。「誘う女」や「イノセント・ガーデン」を見た方なら、きっとつぶやく。ビッチのキッドマンに外れなし、と。

 そんな彼女のビッチ歴に強力な作品がもう1本加わった。「ペーパーボーイ 真夏の引力」。舞台は1969年のフロリダ州モート郡。沼地のもたらす高温多湿の空気に包まれ、ねっとりとした生臭い話が展開されていく。

 キッドマンが演じるシャーロットは、話の糸口となる女だ。彼女は、保安官殺しの嫌疑をかけられた死刑囚の無実を、地元出身の新聞記者(マシュー・マコノヒー)に訴える。記者の弟は、無職で童貞のジャック(ザック・エフロン)だ。彼らは行動をともにして、事件の真相を探りにかかる。

 しかし、謎解きは映画の前線にとどまりつづけない。監督のリー・ダニエルズは、むしろ、腐った男女の腐った言動が招く腐った話に眼を凝らす。これをつぶさに描き出すほうが、ずっと面白いではないか。

 なかでも白眉は、シャーロットの腐り方だ。図太くて、柄が悪くて、さほど腹黒いわけではないのに、平然と男たちを振りまわすビッチ。その存在が原動力となって、映画は終始、血と肉の臭いにまみれつづける。自分の指で股間のパンティストッキングを裂く場面も、クラゲに刺されたジャックにまたがって放尿する場面も、キッドマンは余裕でこなしている。いや、あの無自覚やあのだらしなさを形にするには、相当の技が要るはずだ。彼女は、ずいぶん前からその技を身につけていた。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2013年7月18日 更新

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