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イノセント・ガーデン (2013)

STOKER

監督
パク・チャヌク
  • みたいムービー 212
  • みたログ 1,027

3.55 / 評価:550件

スリラー映画に潜む現代人の欲望

  • pal***** さん
  • 2020年1月21日 14時43分
  • 閲覧数 1213
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

制作にリドリースコットの名前がある。パク・チャヌクは監督の技量で起用され、作品のモチベーションはリドリー・スコットだろう。基本、リドリー・スコットはイギリス人で、ヒッチコックが開拓した恐怖映画をさらに強靱化した監督だ。そこには異質なものへの恐怖が人間の文明の根源的な感情だという信仰にも似た信念があるような気がする。この作品でも、恐怖をじわじわと味合わせ、混乱もさせながら最後の破局へ導く手法は、よくできている。ただ、見終わって感じる感情は、寂しいものがある。犠牲者の描き方があまり同情的でなく、何か、犠牲になっても仕方ないかもとどちらかというと容認の方向に作られているし、犠牲者の側に立つと、報われないなという気持ちになる。こうした異質なものへの恐怖を掻き立てる映画の今日的な落とし所が、異質なものへの同化へと向かっていることを感じる。ジョーカーのヒットからも見えるように、異質なものが悪である場合、悪を悪として描いても、世界的に正義というものへの不信が広がっている昨今では、陳腐に感じてしまうという傾向もあり、倫理的な価値観に立脚した物語よりも、善悪の軸ではなく、共感できる感情を探して物語化していく方向が鮮明になっている。その上で、この映画について言えば、いわゆるサイコパスと言われる人がたくましく生き延びていくという結末は、強いものへの憧れという感情に沿ったものであり、犠牲者ではなくむしろ加害者になる方がスカッとするという潜在的な欲望に訴えるものだったと言える。人を脅かすのがイギリス人は好きなようだが、それだけが目的なのかと思えて高得点は与えられない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
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