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フェニックス ~約束の歌~ (2013)

ROCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

監督
ナム・テクス
  • みたいムービー 51
  • みたログ 115

4.18 / 評価:163件

号泣の感動作。カンサムハムニダ、韓国映画

  • 映画生活25年 さん
  • 2013年6月16日 1時32分
  • 閲覧数 972
  • 役立ち度 56
    • 総合評価
    • ★★★★★

韓国の衝撃作のレビューを2つ続けたが、本作は感動作。
主演は人気のアイドルのようで、先月残念なアイドル・コメディを鑑賞したこともあり、本作もその程度のものかと侮っていた。
しかしいい意味で期待は裏切られた。

鑑賞前の喫煙室で、泣いた泣いた、声が出そうになるほど泣いたと語る、前の回を鑑賞した韓流ファンとおぼしき麗しきお姉さま2人組と居合わせ、どんなものかと思っていたが、なるほど確かに涙なくして見られない作品である。

実はこれでも控え目な表現である。
泣かせることにおいても容赦がないのが韓国映画。

暴力事件を起こして社会奉仕活動を命じられたアイドル歌手チュンイ(イ・ホンギ)。
病院で活動することになるが、そこでは患者たちが気ままに過ごし、治療しようという気配がない。
そこはホスピス。
治癒の見込みがない患者が、積極的な治療はせずに、最後の日々を過ごす場所。

元ヤクザのムソン、病院を抜け出して酒場に行く男ボンシク、ちょっとナマイキだが屈託のない可愛らしい笑顔を見せる少女ハウン、若くて美人だが、彼の奉仕活動を管理する口うるさい指導ボランティアのアンナなど、個性的な面々が揃う。
そして彼らは「フェニックス」という名のバンドを組んで活動している。

常に死を意識し、実際に患者の死という現実に直面する日もあるが、不思議と笑顔が絶えない。
しかしそのホスピスも経営は苦しく、このままでは閉鎖という現実にも直面する。
そこでフェニックスの面々はバンドのコンテストに出場して、その賞金でホスピスを救おうと考える。
半ば強引にチュンイに指導を頼み、練習に励むのだが・・・。

とまぁストーリーはハッキリ言ってベタ、ありきたりと言えばありきたりかもしれない。
しかしありきたりとは片付けられず、考えさせられる部分も織り込んでいるところが素晴らしい。

チュンイの母親もかつて延命治療を行わずに死去していた。
その決断に納得が行かず、父親とはわだかまりが生じたまま。
つまり彼自身は、このホスピスのあり方に疑問を抱えており、人知れず葛藤しているのである。
その葛藤を見抜き、心を溶かすのが、幼い息子を残し旅立とうする女性患者。
チュンイは彼女に自分の母親の姿を重ね、また彼女も彼の気持ちを悟り、母親としての想いを説く。

彼女の息子はまだ幼い。
チュンイに伝えた想いを理解できるかもわからない。
その不安と無念、そして何よりも愛情を込めて、彼女は自作の童話を綴る。

チュンイにもその想いは響く。
自分よりずっと幼い少年が、この悲しみを受け入れようとしている。
その健気さと勇気に、自分の未熟さを痛感し、彼は変わる。

この交流に心打たれ、クライマックス前だが早くも涙腺決壊。

主演のイ・ホンギは、最初はチャラチャラしたアイドルかと見ていたが、意外といい表情も見せる。
顔立ちはどことなく二宮和也に似たところがあり、役者としての素養は十分あると見える。

さて、中盤で涙腺を決壊させられたが、やはりその後も容赦ない波状攻撃。
この攻撃は2年半前の「ハーモニー 心をつなぐ歌」に似たもので、そうとわかっていても抵抗できず。
「ハーモニー」ではこらえ切れなかった嗚咽は何とかこらえたが、涙はダダ漏れ状態。

ただ少々残念だったのはラストのビデオレターと写真を見せるシーンが長過ぎたところ。
それでもここで白血病の少女ハウンを演じたチョン・ミンソちゃんの素晴らしい演技に驚嘆、嗚咽が漏れそうになった。

また、アンナを演じたペク・ジニも非常に美しかったし、ムソンを演じたマ・ドンソクもいい味を出していた。

あらゆるジャンルでレベルの高い作品を送り出す韓国映画だが、アイドル主演作までも侮れなくなった。
衝撃、興奮、驚愕だけでなく、本作のように感動も与えてくれる。
これだから韓国映画は素晴らしいのである。

カンサムハムニダ、韓国映画。

「ハーモニー」で涙した心をお持ちの方は、是非お見逃しなく!

詳細評価

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