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そして父になる (2013)

監督
是枝裕和
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  • みたログ 5,749

3.61 / 評価:3895件

母じゃなくて父なのがミソかぁ

  • vap******** さん
  • 2021年1月28日 19時52分
  • 閲覧数 480
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

まずは脚本がいい。赤ちゃん取り違え事件という、とてもドラマチックな内容を、育てた子供が6歳という微妙な年回りに設定したこと、両家族を対照的なカラーにしたことでより一層心理的な動きを奥行きのあるものにしてますね。

 こうした設定で最も揺らぎの大きいのは母親だと思いますが、主人公を父に、それもタワマン族のクールな人間にすることで、凝り固まった性格がじっくり溶け出すまでの過程を長いスパンで見せて、その間の家族の葛藤をじっくり、どっさり詰め込んでいけたんだろうと思います。母が主人公だったら、もっと激情に支配された作品になったかも知れないですね。終盤近く、人工林の生態系形成のエピソードがその”自然のなりゆき”の時間軸の長さを語っていましたね。台詞の中にも「過ごした時間」についての言及がありますし。

 全体を通して、子供を取り換えるのかどうなのか、ずぅーっと引っ張られてストーリーから目が離せない状態が続くのは上手いなぁと。そして、俳優陣も良かったですね。

 福山雅治の主演作はドラマも含め初見ですが、かっこよくてクールでややヒール的な役どころが映画のタイトルのようにどうなっていくか、見応えがありました。不安感にさいなまれ続ける妻・尾上真千子もリアリティーに寄せた演技で、抑え気味といえるこの作品のベースラインを奏でていた印象でした。

 リリー・フランキーはあのまんまで〇。真木よう子はかわいい母を、そして、子役がいい味だしてた。特に、三兄弟の方は演技してない無邪気さそのままで、余計に切なく感じられてキャスティングも大成功じゃないですかね。

 序盤での映像にDNAの暗喩のような螺旋構造の建造物が幾つか写されたかと思うと、後半には繋がりを意味するかのような高圧電線が写されたりと、このあたりもこだわっていましたね。

 経済格差が幸福度では反比例する、というやや短絡的なところもありましたが、ある程度わかりやすい設定を土台にしないと心理描写をたっぷり詰め込めないんでしょうね。いい映画でした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 切ない
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