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凶悪 (2013)

監督
白石和彌
  • みたいムービー 540
  • みたログ 3,831

3.65 / 評価:2,616件

殺人のノウハウを知りたくはないか?

  • hik***** さん
  • 2019年4月25日 11時42分
  • 閲覧数 2451
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

とんでもない大問題作があったものだ。
正義とは、悪とは、人間とは一体なんなのか。
観る者の心を抉るように訴えかけてくる衝撃作である。

キャストの好演に関しては言わずもがなで、
山田孝之、池脇千鶴の両者の抑えた演技も素晴らしかった。
ピエール瀧も素晴らしく、1人の男の腰の低そうな姿、獰猛なヤクザ、ひょうきんな父親の多面性を見事に演じてみせた。

そして、リリー・フランキーの狂気の怪演も筆舌に尽くしがたい。
「金になるから」と言って切断された手から貴金属を外し取る。
「燃やしてみたい」と言って惨殺死体に火を付ける。
「肉の焼けるような良い匂いがする」と言って焼死体を眺める。
「俺にもやらして」・「そんな顔されたら興奮するな」と言って老人をなぶる。
まるで子供が遊ぶ如く無邪気に人を殺しまくる様は、そのあまりの自然体も相まって、誰もが戦慄を覚えるだろう。
その年のアカデミー賞では、本作と「そして父になる」とのダブル受賞から見事、最優秀賞に輝いたが、本作の怪演の方が堂に入っていたと思う。
本作の内容的になかなか公の場では紹介しづらかったのかもしれないが。


今や注目監督の一人と言える白石和彌氏の出世作。生々しい暴力描写において光るものを発揮させている。
特に本作に至っては、殺人、すなわち人を殺すに至る手順を起承転結で見せるというとんでもない事をやっているのだ。当然、結にあたる部分、殺害のシーンも事細かく見せている。これを悪夢と言わず何と言おうか。

冒頭、怒号が飛び交う中で刑事に揉みくちゃにされながら逮捕される須藤(ピエール)の顔。その次に画面に映し出されるタイトル。まるで忍び寄るかのようにじわりじわりと映し出されるのも印象的だった。
地味ながらも長回し撮影も特徴的で、時間軸をずらしたストーリー展開の妙技も面白かった。

見終わったあと、何となく「殺人の追憶」を彷彿とさせる映画でもあった。
胃の中にタールを流し込まれたかの様な不快感で満たされるだろう。
本当に恐ろしい映画だった。だが一番の恐ろしさはなんと言っても、ノンフィクションを元にしているという点だというのは言うまでもない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 恐怖
  • 絶望的
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