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楽園からの旅人 (2011)

IL VILLAGGIO DI CARTONE/THE CARDBOARD VILLAGE

監督
エルマンノ・オルミ
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3.27 / 評価:11件

オルミの最後の作品なのだろうか

  • otanlala さん
  • 2013年8月29日 12時43分
  • 閲覧数 1080
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

エルマンノ・オルミである。岩波ホールである。
『木靴の木』をここで観た人は、おそらく渡り鳥のように本能的に帰ってくるのではないかと思う。

私もその一人なのだが、正直、今更オルミかと思っていた。
今、彼はイタリアではどういう扱いを受けているのだろう? 
イタリア映画祭などでも彼の名を聞くこともない。再評価の気配も感じない。

さて、この作品は取り壊される教会のキリスト教老司祭の苦悩と、不意に訪れる違法な闖入者、異教徒、テロリストとおぼしきグループたちなどの出会いと別れを舞台のような演出で描かれる。
アフリカからの移民者たちは、教会での数日の難民生活を過ごすが、けっきょくこの国では暮らせないことを知り、フランスへ向かう船に乗ることになる。
故国からの脱出でも業者に金を払い、なけなしの金をまた払うことになる彼らの安住の地はどこにあるか、誰が彼らに手をさしのべるかはわからない。

司祭は老いたこと、教会を守れないこと、教会に助けをもとめる者を救えないことの無力感と悲しみに打ちのめされるのだが、彼もまた救われない者なのだ。

今、イタリアだけでなくヨーロッパの先進国は不法移民が大きな社会問題になっている。
アフリカだけでなく、いまや中国人が相当数になるという。
もはや人種、民族だけでなく宗教宗派も超えた共同体になりつつあるヨーロッパの縮図のようなこの教会劇から何が伝わるのか。

日本の寺社にアジアやアフリカの難民が救いを求めたら、神職者や僧侶たちはどうするだろう? などとこの映画を観ながら別のことを考えていた。

きちんと観るのがつらい映画をまた観てしまった。
ベルイマンならこのテーマをどう描いただろうか。
晩年の映画監督の作品は、どうしても表現者の“エゴ”が出てしまうのか。
同時期の公開である宮崎駿の様子を見ると何かそんな気もする。

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