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3.0点
本当にこれは“危険な”プロットだ。文学の授業のはずが、教師と生徒の、才能の利用か対立か、 “危険な”関係になる。生徒の創作を助けるつもりの悪事までやってしまう。 生徒の方では、職業作家になるつもりはない。単なる“覗き趣味”が発露しただけだが、先生の指導によって、危険なまでに行き過ぎてしまった。覗かれた家庭を辱しめる事態にまで発展。単なるゴシップ記者でしかない。 先生の指導の行き過ぎの結果、先生自身までも職業も家庭も失ってしまう。“危険な”生徒だった。 この一件は、生徒の危険因子によるものか、それとも先生が持っていた危険因子か。ひょっとしたら、文学というもの自体が“危険”なのではないか。覗き趣味だ。フィクションの文学であったとしても、それには実在の人間への洞察力が必要で、そのためには観察が不可欠で、それは基本的には『裏窓』からの覗きだ。 先生も生徒の覗きを支援し指導した(つもりであった)のだが、実は自分のことまで覗かれていた。ついには壊されてしまった。本当に“危険な”プロットだった。
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