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皇帝と公爵 (2012)

LINHAS DE WELLINGTON/LINES OF WELLINGTON

監督
バレリア・サルミエント
  • みたいムービー 21
  • みたログ 37

3.15 / 評価:27件

フレンチだと思ったらポルトガル料理が…

  • bakeneko さん
  • 2014年1月15日 7時18分
  • 閲覧数 766
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

どう読んでも映画を観た人が書いたとは思えないyahooの作品紹介と、意図的にミスリードを狙った予告編&チラシによって、観客が期待していた映画とは全く異なるものを見せられる作品ですが、煽られた期待や先入観を捨てて観れば、なかなか稀有な切り口で描かれた“19世紀の戦争周辺群像ドラマ”となっている異色映画であります。

はっきり言います!
豪華キャストは撒き餌です(やや長めに数分出演しているジョン・マルコビッチ以外、全員1分くらいしかカメオ出演していません)。

更にはっきり言います!
戦闘スペクタクルは皆無です(ナポレオンが出ているからと言って「戦争と平和」や「ワーテルロー」の大活劇を期待すると“肩透かし”を喰います)。

これは、ポルトガル映画です!(ポルトガルが舞台のポルトガルでの戦争のお話で、ポルトガル人が主要な役を占め、ポルトガル語でポルトガル気質を活写した作品です)

で、面白くないかと言うと…実は変わった語り口で“戦争を巡る群像ドラマ”を浮かび上がらせている異色作として見所のある映画になっているのであります(困ったもんだ)。

「ダンケルク」が戦争の中で起こった“奇妙な小休止”を描くことで、“戦争状態という異常な日常の中で翻弄される人々の営みと追い詰められた焦燥感”を活写したように、本作でも戦争に追い立てられている人々の心理と営みを様々な角度で映し出しています。

一つの戦闘が小休止して別の戦争へと移行しつつある大軍と、防衛戦の為に街からの移行を余儀なくされた人々の群像劇を、複数の登場人物同士の邂逅と接触を通して複合的に戦争状態の心理と人間性を浮かび上がらせている作品で、様々な登場人物が辿る運命と出逢いの奇遇さに見入る映画であります。
そして、ロシア遠征の際のナポレオン軍の敗因となったスペイン方面での膠着戦線の様子が示される興味深い作品であり、英国とポルトガルが同盟していたことも良く分かります(ポルトガル軍の軍服も目新しい!)。
そして、現地ロケのポルトガルの丘陵地帯の風景や街並みも本物ですし、英国&ポルトガル&フランス語がきちんと語り分けられる正しい国際感覚描写も臨場感を出しています。また、カソリック国らしく異常な状態での宗教家達の行動と心理も描き込まれていて-珍しいポルトガル映画の感覚を堪能できる秀作となっているのであります。

殆どペテンとも言えるレベルのミスリード戦略で観客を釣らなくても、ユニークな題材と語り口で宣伝勝負してほしかった作品で、“戦争スペクタクル絵巻”という先入観を捨てて、 “戦争という嵐の中にぽっかりと空いた真空地帯で、様々なキャラクターが邂逅&衝突する群像ドラマ”を堪能しましょう。

ねたばれ?
敵に糧食を与えない“焦土作戦”で、遠征してきた大軍を消耗させることが、巨大なナポレオン軍に最も有効だということは、ロシア戦線以前のスペイン&ポルトガル戦で証明されていたんだ!

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