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椿姫ができるまで (2012)

TRAVIATA ET NOUS/BECOMING TRAVIATA

監督
フィリップ・ベジア
  • みたいムービー 14
  • みたログ 17

3.69 / 評価:13件

オペラに馴染みのない方も是非!

  • bakeneko さん
  • 2013年10月23日 7時35分
  • 閲覧数 48
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

2011年のエクサン・プロヴァンス音楽祭で「椿姫」を上演するために集まった-
歌手:ナタリー・デセイ(フランス)他、
演出家:ジャン=フランソワ・シヴァディエ(フランス)、
指揮者:ルイ・ラングレ(フランス)、
演奏:ロンドン交響楽団(イギリス)、
合唱:エストニア・フィルハーモニー室内合唱団(エストニア)、
そして様々な国籍の、舞台装置係、メーキャップ係、舞踏エキストラ、動作振付師…達が、一つのオペラ-「椿姫」を創り上げていく様子を追ったドキュメンタリー作品ですが、単なる記録映画の枠に留まらない-“オペラの音楽の愉しさ”と“ものが創りあげられていく”カタルシスを共体験できる上質の娯楽映画ともなっています。

“ひとつのオペラを創るには、これほど多種多様の才能が集結するんだ!”と嬉しくなってくるドキュメンタリーで、
オペラが歌手の歌声と演技だけで出来上がっているのではなくて、オーケストラの旋律の歌わせ方、舞台の構成や幕の揚げ降ろしのタイミング、的確なメーキャップ…といった、多くのプロフェッショナルが一丸となった創造演出の集結と結晶化であることを観せてくれます。
それぞれの技量を持つ芸術家の音楽への情熱と愛着が爽やかな印象を残す記録映画で、
歌う時の“情熱的なのめり込み”と普段の“ちょっと醒めた”お茶目な言動のギャップが魅力的な-ナタリー・デセイや、
ロマンチストで没頭&ナルシス型だけれど、フランス訛りの英語も操りながら的確に状況を説明する陽気な-(実は指揮もやってみたい)ジャン=フランソワ・シヴァディエ
ら、製作陣の人間的な素顔も愉しく紹介されていきます。

凡百のドキュメンタリーにありがちな-“あなたにとって音楽とはなんですか?”等の愚直な質問形式や安易なナレーションで画作りを省かない-“創造の情景を活写することで製作の意義と情熱に感じ入らせる”作法が見事な作品で、見事なカットバックとカメラの切り替え方が、記録映画の教科書としても使える賢明な映画でもあります。
そして、徐々にオペラの完成度が上昇していく様子や各パートのプロフェッショナルの技巧を見せながら同時に、オペラ「椿姫」の主要な曲や場面をお話の順を追ってきちんと見せる構成が、観客にオペラ&物語自体も堪能させてくれる映画となっていて、椿姫のお話やオペラに馴染みのない“一見さん”でも十二分にオペラの醍醐味を愉しめる創りとなっているのには感心させられます。

“オペラと言う夢”を創る人々の情熱と共闘を記録した見事なドキュメンタリーであると同時に、しっかりと上映劇場内で音楽と舞台を聴かせてオペラ自体も堪能させてくれる超一級の音楽作品で、本作を観ることで次回からオペラを観る視点が豊かになる傑作であります。


ねたばれ?
本作の対象となったオペラの上演の様子はDVDソフト化されています(劇場を出る際にためらわず買っちゃいました)。

詳細評価

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映像
音楽

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