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ザ・タワー 超高層ビル大火災 (2012)

THE TOWER

監督
キム・ジフン
  • みたいムービー 20
  • みたログ 201

3.31 / 評価:137件

これくらいあっさりでいいのかも

  • aiai さん
  • 2013年8月25日 11時49分
  • 閲覧数 1248
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

超高層ビル火災を描く映像が大迫力です。
制作側はこれが見せ場だと心得ていて、
スター俳優を多数起用しているにも関わらず、
人間模様については、かなりあっさり描写です。
でも、これでいいのだと思います。
主題はあくまで「超高層ビル大火災」ですから。

登場人物が多数出てくる群像劇です。
一応、ソル・ギョング、キム・サンギョン、ソン・イェジンが
同格で主演のクレジットにおさまっていましたが、
彼らが演じたキャラの背景には深入りしていません。

ソル・ギョング演じるカン隊長の背景としては、
「自宅にケーキを買って帰ろうとしていた」ことだけ。
キム・サンギョン演じるデホは父子家庭なのですが、
なぜ父子家庭なのかは全く描かれず。
ソン・イェジン演じる飲食フロアマネージャーにいたっては、
背景描写ゼロです。

主要3人ですらこうなのですから、
いわんや、他のキャラにおいてをや。
みんな、たまたまここにいた人、というだけ。
そんな人たちが、この大事故に巻き込まれていきます。

舞台は商業・居住複合型の超高層ツインタワービル。
日本の高層タワーマンションも同じでしょうが、
上層階に住めるのは、お金持ちの上流階級で、
ある意味、虚栄の象徴です。
事故の発端は、クリスマスパーティーの趣向として、
ビルのオーナーがヘリで雪を降らせようとしたこと。
気象状況を無視した強引な命令が、
大惨事を招くことになります。

半壊の飲食フロアには庶民系の人々が
危険な状態で多数取り残されているのに、
居住フロアの上流階級の人間を救出に行けと無線命令が下る。
カン隊長らが駆けつけてみると、室内は平穏なのに
「遅すぎるでしょ。あんたどこの所属?」と文句を言われる。
…こんな理不尽も、しっかり描きだします。

これは火災を起こした超高層ビルの話ですが、
日本人ならやはり、地震のことを重ねて見てしまいます。
長周期地震動で大揺れする高層ビル同士が激突したら、
本作のような地獄絵図が待っていると思う訳です。
60階の飲食フロアの底が抜けそうだからと言って、
窓の外で揺れるゴンドラに飛び乗る勇気はありますか?
乗り移るのに失敗したら、即転落死ですよ。
妊婦も、お年寄りも交じっているのに。

A棟が崩壊してB棟に倒れ込む恐れがあるから、
A棟を爆破してしまおう…なんて、
救出が完了していない状態でそんな命令が出るなんて
ぞっとしますが、ありえないことじゃありません。

そんな中で、生き延びようと必死にもがく人々。
消火と救出こそが自らの存在意義である消防士たち。
今現在、という視点から、本作はぶれることがありません。
登場人物たちの過去を描かず、背景を描かず、
今起こっていること、目に見えることだけを、等価に描く。

だからラストシーンもあっさりです。
「海猿」シリーズの濃厚なラストシーンとは正反対。
情念をこれでもかとかき立てがちな
韓国映画の常道からは外れています。

でも、私は、これがいいと思います。
本作の主眼は、危機的状況で人はいったいどう動くか。
危機的状況を抜け出した後の人々を、
深追いする必要はもうないのです。
「海猿」シリーズを感動の押しつけだと感じる人は、
本作が口に合うかもしれません。

詳細評価

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