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ジンジャーの朝 ~さよなら、わたしが愛した世界
2013年8月31日公開

ジンジャーの朝 ~さよなら、わたしが愛した世界

GINGER & ROSA

PG12902013年8月31日公開

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4.0

家族こそが政治、または分裂と縫合

2012年。サリー・ポッター監督。1945年に生まれ、幼馴染として育った少女2人が17才になって思春期を迎え、一人は核戦争の恐怖に脅えてなんとかしなければと思い、一人は若い女性らしく愛を求めてもう一人の父親と関係をもってしまう、という話。 核による人類滅亡に脅える少女が、実は家族の崩壊に脅えている。まっとうな「家族こそが政治」という映画。自由主義者の父親と家庭に閉じこもる母親の間で深まっていく分裂は必然的なものとして描かれており、家庭分裂から人格分裂の危機に瀕する少女が人格を取り戻す手段が「詩」であるところがポイント。活動家になるのは家族分裂への脅えからだが、詩人になるのは分裂した人格の縫合のためである。 書くことは自分を取り戻す=再創造することであるということですね。もう一人の少女があまりにうすっぺらく、そこに必然性があるようにも見えないのが残念です。金髪=正統派、ブルネット=ファムファタールという定型は踏襲しているけれども。

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