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3.0点
実に重いテーマだ。「子供同士の取り違え」だけでもあってはならないことなのに、それが対立するユダヤ人とパレスチナ人の取り違えなんてアイデンティティーを全否定するほどのとんでもない悲劇である。 ただ主役のふたりはその衝撃の事実を意外とあっさりと受け入れ、それほど葛藤や苦悩は感じられないように見える。民族を越えたふたつの家族を憎しみや苦しみでなく、愛に溢れた対象として描いているせいか悲劇性は薄い。 女性監督らしい優しい眼差しでこの悲劇をマイルドに描いていることが本作の良さでもあり、物足りない部分でもあるだろう。 個人的にはこれほどの素材を語るならば、もっとシリアスに悲劇を盛り上げていたら、とてつもない傑作になっていた予感がある。 平均点は余裕で越えるクオリティだが、残念感の方が強いので辛めに★4に近い★3とした。
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