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もうひとりの息子
2013年10月19日公開

もうひとりの息子

LE FILS DE L'AUTRE/THE OTHER SON

1012013年10月19日公開

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4.0

ネタバレ是枝作品「そして父になる」より前の作品。

視聴中はてっきり本作が是枝作品を模したものかと思っていたが大きな勘違い。 本作はイスラエルにおけるユダヤ人家庭と隔離パレスチナ人家庭といういわば究極の敵対的環境下における子供取り違えパターン。 いきなりの政府案件になってしまうというその振り幅の大きさゆえにどのような収束のさせ方をするかが大きな見どころ。 意外にも奇をてらった飛び道具は使わずオーソドックスな時間をかけての相互融和という手法を採用したことに好感を抱く。 まずは母親同士は悲哀からの共感的融和、しかし父親同士は敵対感情むき出し。 積極的な理性的理解は18歳の息子同士からというのも予想外だったが、お互い下手な小細工などはせず、恐る恐る手さぐりではあっても融和するしか手立てがないのはこちらにも伝わってくる。 段階を経て父親同士、そしてパレスチナ側の強硬的な兄も次第に現実を受容する態度に軟化していく様子には見ている側も安堵の吐息。 ラスト、そこで刃傷沙汰かよ!? と白けかかるが、軽傷で済んだようで再度の安堵。 ※並レベルの邦画であればそこであっさりどちらかを殺して臭さ充満のお涙頂戴劇にしてしまいそう。 現実的にはその後の地域社会への説明が必要となるだろうし、好奇の目も避けられないだろう。ラストのような無理解な或いは狂信的な暴漢たちもどうしても現れてくるだろうから、平穏の内に子供交換を果たしたとしても問題は山積。 しかし、その手前の段階で映画はエンドとなる。 この映画にもユダヤパレスチナ問題解消の手立てが述べられていたようにも思うが、その為には相互にただならぬ譲歩と寛容の精神をもって接するのでない限り相互融和は不可能であることも個人的には感じ取れた。 3.8の四つ星

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