アイスクリーム売りって儲かるんだな~
- bakeneko さん
- 2014年4月15日 21時01分
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- 役立ち度 7
- 総合評価
第一次湾岸戦争の際に産院で取り違えられた、敵対する民族同士の子供&両親&兄妹の葛藤と融和を淡々と綴って、民族&国民間の紛争&嫌悪感の無意味さを浮き彫りにしていく“民族葛藤劇&ヒューマンファミリードラマ”の良作であります。
“子供が取り違えられた事が判ったら…”という設定は、日本でも同時期に「そして父になる」が公開されたほど多用されるシチュエーションですが、本作は“過度なドラマチック展開をしていない”事が特徴で、敵対するそれぞれの家族&息子達の心の動きを細やかに活写して、万国共通の家族の絆に感じ入らせると共に、相互家族の交流に国際&民族紛争のナンセンスさを浮かび上がらせていきます。
戸惑いながら同族意識を育んでいく2人の息子達、母親達の情、父親達の面子、無邪気な妹達、ふっきれない兄…や友人達を生き生きと描いて、環境が違っても人間の本質が善性であることに温かい気持ちにさせてくれる作品で、“抽象的観念で他民族を嫌っても、いざ逢って話してみると自分たちと変わらない”-という当たり前ながらスルーされている真実に気づかせてくれる映画であります。
イスラエル自治区の海岸風景や山岳部、大都会と田舎…と現在のパレスチナ問題地域を俯瞰して見せてくれる風景や、各民族の音楽&風俗&料理…と丹念に比較される詳細な蘊蓄にも興味津々の作品で、ユダヤ教やイスラム教の相克と共通意識についても興味深く紹介されています。
現実に起こり得る皮肉な事故を通して、イスラエル&パレスチナ問題の今と人間の真実が見えてくる良作で、フランスの中東問題に関する微妙な立ち位置も活写されていますよ!
ねたばれ?
1,劇中の台詞-
“僕たちはアブラハムの息子のイサクとイシュマエルだな!”は、ユダヤ教とイスラム教の兄弟関係を端的に示しています。
アブラハムはノアの箱舟の物語とバベルの塔の話のあとに語られる物語の主人公で、ユダヤ&イスラムの始祖とされています。ヤハウェ(エホバ)神から啓示を受け、約束の地カナン(パレスチナ)に移住して、正妻にイサクを生ませてユダヤ民族の後継とさせ、妾腹からはイシュマイルが生まれて砂漠の民の始祖となります「天地創造」の終盤エピソードの主人公で、ジョージ・C・スコットが演じました)。
2,ユダヤ&イスラム教はタブーとされている食物(豚)が同じなので家族同士の会食が成り立ったのですな(キリスト教徒と取り違えられなくて良かったな~)
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