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もうひとりの息子
2013年10月19日公開

もうひとりの息子

LE FILS DE L'AUTRE/THE OTHER SON

1012013年10月19日公開

たあこ

3.0

非現実的だなぁ……

この映画のように、戦争による混乱の最中でなくとも、新生児の取り違えは、昔は現在よりも遥かに多かったことだろう。 実際に、私の母が生まれたばかりのとき、“違うお母さん”と対面させられたらしい。 しかしながら、幸いにも祖母が異変に気づき、“本当のお母さん”に抱いてもらえたのだ。 だからこそ『もうひとりの息子』は、何か自分とかかわりのある映画のように感じ、鑑賞するに至った。 だが、観てみると、違和感を覚える点が多かった。 その中で最大のツッコミどころは、 「みんな、そんなに仲良くなれるものなのか!!??」 というものである。 “僕の歩むはずだった人生を、君らしく歩んで行ってほしい” という心情に至ることは、理解が及ぶ。 しかし、取り違えられた者同士、また本当の家族同士、そんなにアッサリと仲良くなれるものだろうか。 ドキュメンタリーでないのだから仕方ないことではあるが(とはいえ、社会問題を基にしているのに)、どうしても非現実的だと感じてしまう。 自らの運命を受け入れるまでの葛藤が、あまり強く伝わってこなかったことが、この何とも言えぬモヤモヤ感の所以なのかも知れない。 ちなみに、私の母は、本当に数奇な運命の下に生まれているひとだ。 「あなたのお父さんは、とっくのとうに亡くなっている」と聞かされていたにもかかわらず、実は去年まで存命だったり(このことは、母方の祖母さえ知らなかった)…… 母が小学生の頃にできた新しい父親には、彼が捨てたも同然の妻子がいたり(もちろん、対面はしていない)…… 数々のアンビリーバボーなエピソードを持つ母をみていると、まさに “人生は、小説より奇なり” との言葉がしっくりくる。 母に関連のありそうな映画を観ても、母ほどの苦悩は描かれていないように感じてしまう。 ……そうか、これこそが、イマイチ感動できない要因なのかも知れないなぁ。

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