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サイド・エフェクト (2013)

SIDE EFFECTS

監督
スティーヴン・ソダーバーグ
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3.38 / 評価:933件

解説

『トラフィック』などのスティーヴン・ソダーバーグ監督が放つサスペンス。新薬の副作用によって夢遊病となり、夫を殺害してしまった女性と、その悲劇の裏側に隠された真実を、彼女の治療にあたった精神科医が暴こうと奔走するさまを活写。精神科医にジュード・ロウ、事件を引き起こす謎めいたヒロインに『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラ、そしてキャサリン・ゼタ・ジョーンズ、チャニング・テイタムが結集した。アルフレッド・ヒッチコック監督作品のテイストを感じられる演出にも目を見張る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

金融マンであった夫マーティン(チャニング・テイタム)が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー(ルーニー・マーラ)は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。診察にあたる精神科医バンクス(ジュード・ロウ)は、かつて彼女を診ていたシーバート博士(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に相談。エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2012 Happy Pill Productions.
(C)2012 Happy Pill Productions.

「サイド・エフェクト」それぞれの人間が抱える小さな闇とその連鎖

 薬の副作用をめぐる実態が次々に暴かれ、あるいはそれへのさらなる隠ぺい工作が行われ、加害者と被害者の立場が逆転する。一体どんな場所にこの物語が着地するのか。そんなハラハラが加速するこの映画の後半に、まさかそんなどんでん返しが用意されているとは思いもよらないほど、ゆったりとした時間がこの映画の前半には流れている。その時間の中で主人公たちの心の闇が少しずつ明らかになっていく前半がこの映画を見事に支えている。

 冒頭に置かれた町の風景は、まさにこれから映画が始まろうとしている静かな高揚感に満ちていて、何度も見直したくなるほどだ。映画の開始前、それまでは明るかった場内が暗くなるその数秒の、なだらかで決定的な変化がそこにあると言ったらいいか。それを境に現実の自分の人生が映画の中の他人の人生にすっと入り込んでいくと同時に、他人の人生が自分の人生に入り込んでくる。そんな映画のときめきが、ここにはあるのだ。

 闇を抱えた夫婦、孤独な精神科医と野心あふれる美人精神科医と彼女がかかわる新薬。それだけの要素が絡まりあいもつれ合い、思わぬ大事件へと発展する。一体どうしてそうなるのかと納得いかない思いをひきずりながらも、しかしその説明のつかなさこそが人間の抱える闇の仕業なのだと、私たちは思い始めるだろう。それぞれの人間が抱える小さな闇とその連鎖が、スクリーンのこちら側にまで広がりだすのだ。映画のときめきはまた、危険を前にした震えのようなものでもあると、あらためて思った。(樋口泰人)

映画.com(外部リンク)

2013年9月5日 更新

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