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ランナウェイ/逃亡者
2013年10月5日公開

ランナウェイ/逃亡者

THE COMPANY YOU KEEP

1222013年10月5日公開

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4.0

往年のスターによる過激派学生の同窓会

 若かりしレッドフォードを知っている世代から見れば、往年の豪華スターの熟練した演技に満足されるでしょう。そしてストーリー内容も当時の学生運動を思い起こさせてくれるものです。  封切日の午後の観客も、夫婦割引で見られている方が多く、まさに団塊の世代からその3,4年後のあとの、学生運動の時期を学生として生きた方々でしょう。  安保闘争、全共闘、全国学園闘争は、米国コロンビア大学の「いちご白書」に象徴されるように、世界のスチューデントパワーと呼応していました。  私の高校でも、定期試験の初日の朝にバリケード封鎖が行われ、教育方法、教育評価の改善、服装自由化等を求める運動が展開されていきました。  学生運動に無関心であった私も、集会の続く毎日から、考えざるを得ない状況になり、社会について目覚めていった時期でした。  私の大学時代には、学生運動の最中にイデオロギーの違いから殺人事件も起き、暗い影を落としました。まさに今、当時の学生時代の友人に会えば、きっと繰り返されるであろう言葉のやり取りが、映画の中で、表現されています。  レッドフォード監督らしい、しっかりした構成と演出、俳優陣の演技は、見事だったと思います。ただ激しいドラマチックな展開を期待しておられる方たちには、この映画は、不向きだと思われます。  この映画は、学生運動時代の仲間の同窓会を見ているようでした。私も妻と共に、しばらくその時代を振り返りました。若くて幼稚でしたが、理想を社会に求めていた学生の頃を思い出し、懐かしかったです。  ただ、そうなると、今の山積する社会問題も、人間の限界なんだとあきらめてはいけない、やはり若さを失っても、見過ごしてはならない問題には、敢然と立ち向かうべきだと思い始めました。  この映画をご覧になられた学生運動の時代に生きた皆様、今はどっぷりと体制側に組し、その恩恵を受けられていても、体制の中で、改革すべきことは、あきらめず、次に続く若き世代のためにも、もう一度立ち上がるべきではないでしょうか。

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